ビジネスだからこそお詫びと感謝はおおげさに伝える

お詫びも感謝もおおげさくらいでちょうどいい

 

お客様へのお詫びや、クレームの対処法でも、お笑いを取り入れたコミュニケーションはとても役立ちます。

 

とくに接客業ではお詫びやクレームが発生することが多いのではないでしょうか。例えば居酒屋で店員にビールを掛けられてしまった場合、どのように謝るのが効果的でしょうか。「すいませ~ん」これでは、まったく謝意は伝わりません。謝ってくれないほうがマシと感じる人もいるでしょう。逆に、「申し訳ありません!!」と、気持ちを込めて謝られると、「忙しいんだからしょうがない」と許す気持ちになります。つまり、お詫びの言葉に感情がこもっているかどうかが、とても大切なのです。居酒屋などの接客業でなくても、事務職の人が訪問してきたお客様に失礼な態度をとって叱られることもあります。また、製品ミスや納期の遅れ、配送中の商品の破損などでクレームが来ることも少なくありません。

 

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ですから接客業に限らず、どのような職種の人でも、何かあった時にきちんと謝れるスキルを身に着けておくことは大切です。お客様に謝罪することを前提に、謝る練習をしておきましょう。

 

というのも、本人は十分に感情をこめて謝っているつもりでも、相手にその気持が伝わっていないことが多いのです。これは、その人の感情が、自分の思っている半分も表情に出ていない人が多いからです。ですから練習をするときは、わざとらしすぎるかな?と思うくらいのオーバーアクションで謝るよう心がけましょう。そうしておくことで、いざ実際に謝らなければならないケースに遭遇したときに、相手に伝わる感情表現ができるようになります。

 

同僚や家族などと、ロールプレイングで店員と客の立場にたって練習するのも効果的です。一人で練習するなら、鏡で自分の表情を確認しながら行ってください。

 

これは謝罪の練習だけでなく、感謝の気持ちを表す練習にもなります。「すいません!」と謝るかわりに、満面の笑顔で「ありがとうございます!」と感謝を伝えましょう。いずれにせよ、大げさぐらいでちょうど良いとおぼえておいてください。

 

飲食店ではオーダーミス、注文した商品が来るのが遅い、飲み物をこぼした、カトラリーの出し忘れなど、クレームが出やすいです。

 

アパレルショップでも買った服のボタンが取れかかっている、服地の裏に油染みが付いている、サイズが合わないなどのクレームが出やすいものです。また、こちらから売りにいかなければならないので、来店したお客様に対して「いらっしゃいませー、お久しぶりですー、ずーっとお待ちしてたんですよ。来てくださってすごーく、うれしいですー!!!」などと、オーバーリアクションに足を運んでくれたことのお礼を言って感謝を示すことも大切な営業トークとなります。

 

またヘアサロンでも、最初に説明した髪型と違う、カラーリングの色が思っていたのと違う、短く切りすぎ、パーマ液にかぶれたなど、さまざまなクレームに対応しなければいけません。

 

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これらのクレームがトラブルへと発展する、その場でおさまるかどうかは、その場での適切なお詫びと、ふだんからのコミュニケーションも大きく左右します。

 

特にヘアサロンでは、同じお客さんが長く通ってきてもらうために、担当の美容師はきめ細かなコミュニケーションを行っていく必要があります。日頃の意思疎通が、思っていた髪型と違うなどのクレームを極力抑える布石ともなります。

 

ですから、接客業では日頃からのコミュニケーションを大切にしておかなければ、ささいなクレームであっても、賠償金の支払いなど大きなトラブルへと発展するケースがあるのです。接客業はもちろんのこと一般職であっても、コミュニケーションスキルは、仕事のトラブルを極力回避し、売上を上げるための最強の武器となります。

 

このため、企業が人材を採用するときにも、コミュニケーションスキルを最重要視しています。

 

たとえば、飲食店で盛り上がっているテーブルがあったします。近くのテーブルに座っているお客さんから「うるさいから静かにするように注意して欲しい」と言われたら、どうすればいいでしょうか。

 

どちらもお客様です。騒がしいお客様に対してストレートに、「周りのお客様に迷惑ですから、お静かに」と言ったら、言われた人たちはどのように感じるでしょうか。自分を否定されたと感じて、気分を害するはずです。

 

このようなときは、相手を立てつつ要求に従ってもらうよう考えましょう。そっとそのテーブルに行って、小さめの声で恐縮しながら「今、すごく盛り上がってるところですよね? 申し訳ないのですが、少しだけ声を落としていただけますか?」と言い、最後に「あ、私の声のほうが大きかったですよね(笑)」とボケると、相手も気分を害さずに静かにしてくれるのではないでしょうか。

 

お客様のなかには我がままな要求や、理不尽なクレームを言ってくる人もいます。ですが、頭ごなしに否定するのはNGです。相手を否定すると、敵対自分という関係になってしまいます。これは最悪です。本来はお客様と店はフレンドリーな関係であるはずですから、お店に来てくれた仲間として対応し、角を立てないように努力しましょう。言い換えると、相手の立場に立つということです。

 

たとえばレストランで、席を替えてほしいという要望があったとします。あいにく、空いている席はありません。このような時に「空いている席がないのでご辛抱ください」と対応すると、相手は気分を悪くします。面倒なお客様だと思っても、顔にださずに対処しましょう。

 

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「こちらのお席より、あちらのほうが落ち着けますよね」と、お客様の気持を肯定して受け入れます。その上で「もうしわけありません、今は満席なのですが、空きが出ましたらすぐにご案内いたしますので、少々お待ちいただけますか」と伝えると、待ってくれるはずです。そして、ときどき「あと10分くらいで空きそうなので……」などと、「席替えのこと忘れていませんよ」とアピールしておきましょう。このように相手の気持ちを受け入れるだけで、「席替えはもういいよ」と納得してくれるお客様が大半なのです。自分のことを気遣ってくれた、小まめにフォローを入れてくれたなどの気配りが、満足なサービスとして受け入れられ、不満な気持ちも治まるものです。このような細やかな気配りが、売上を左右するといっても過言ではありません。

 

クレームとまではいかなくても、わがままを言うお客様は多いものです。こまった事態であっても相手の気持ちを考えて、お笑いのテクニックを取り入れたコミュニケーションができるようになると、できる人と周りから信頼されます。

 

たとえば営業マンに対して、大幅な値引き交渉をしかけてくるお客様もいます。原価以下の値段をふっかけてきて、「それ以上の値段では買わない」などと無茶苦茶をいう人もいます。

 

そんな営業マン泣かせのお客様であっても、優秀なセールスマンは決して否定しません。何もいわずに見積書を見せると、「もう少し値下げできるだろう……」と言われます。しかし自信を持って「社長、やりました!見積り価格2000万円です!思っていた以上に安くできましたっ!」と自信満々で「安い見積書」として提出すると、「おお、そうか! そこまで頑張ってくれたのか」と感じて値切り交渉へと持ち込まれないことも多いのです。

 

そのためには「それはムリです」などと、日頃から相手を否定するような発言はしないことです。「むちゃくちゃですやん!」とジョークで交わす人もいますが、むちゃくちゃにはネガティブな意味合いが入っているので、あまり効果的ではありません。

 

相手の気持ちを考えて受け入れことで、心をひらいてくれます。こうすることで、値切りたい人vs値切られたくない人の対立関係から抜け出せて、円滑なコミュニケーションが実現します。自分の気持ちはさておいて、まずは相手の気持ちに寄り添うことを心がけてみましょう。

 

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