雑談はトレーニングで上手くなる|雑談力が上がる話し方と練習方法

あがり症や口下手の人、コミュニケーションを取るのが苦手な人が、自分から他人に話かけるのは非常な勇気が必要です。
このため、雑談の腕を磨きたくても、どこでどのように実践すればいいのかわからないという人も多いと思います。

 

そこで、雑談力を磨くために日頃からできるトレーニングがあります。
簡単なトレーニングから少しずつレベルアップしていきましょう。

 

知らない人と一言だけ話す

まずは、「知らない人と一言だけ話す」トレーニングです。
例えば、エレベーターのドアの入り口に立って「何階ですか?」と聞くところから始めましょう。
最初は緊張で、声が小さく低くなりがちなので、高め大き目の声を意識しましょう。

 

他にもお店のお会計のときに、一言添えるのもいいトレーニングです。
会計でお釣りを受け取るときに、「ありがとうございます」や「ごちそうさまでした」と添えてみましょう。
そこから徐々に、「素晴らしい接客ですね」や「アジフライが最高でした。ファンになっちゃいましたよ」といった具合に相手を喜ばせるような一言が出てくるように練習してみてください。

 

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ここまでのトレーニングでも、人と話すことがかなり楽になるのを実感できるはずです。
さらに上を目指すなら、場数を増やしましょう。
次は、慣れていない場で雑談をする機会を作っていきます。

 

話しやすい人と軽い雑談をする

話しやすい練習相手としておすすめなのが、オバチャン、犬の散歩をしている飼い主さん、赤ちゃん連れのお母さんです。

 

まずオバチャンですが、大阪のオバチャンの話し好きユーモアセンスは全国的によく知られています。
しかし、なにも大阪でなくても日本のオバチャンの多くが話し好きです。
女性は男性に比べてコミュニケーション能力が高い人が多いですし、おしゃべり好きです。
ふだんから雑談を息を吸うように行っている人が多いのです。特に40代から60代のオバチャンは、雑談スキルの高い人が多く、誰でも分け隔てなく話してくれます。
もちろん、人見知りや口下手な人も差別しません。

 

試しに、近所のお惣菜屋さんやパン屋さん、お弁当屋さん、スーパー、食堂などで働くオバチャンの店員さんなどと話してみましょう。
いずれも客商売ですから、誰とでも話し慣れています。

 

時には、相手から話しかけてくれることも多いのではないでしょうか。
例えば「お兄ちゃん、これオマケしとくね」、「今日は寒いね」、「そんな格好で、寒くないの?」など。
そんなときこそチャンスです。「オマケですか!嬉しいな、これ大好物です」、「ほんと寒くなりましたね、僕の懐と同じです」、「ダテの薄着です。正直いって寒いですね」など、何でもいいのです。
一言、返してみましょう。一度言葉を交わすと、次からもオバチャンは話しかけてくれることが多くなります。
気軽に一言、二言話せるオバチャンがいると、心強いですね。
オバチャンを雑談のお師匠様にして、練習させてもらいましょう。

 

犬の散歩をしている飼い主さんも、話しかけやすい人の代表選手です。
特に自分が犬を飼っている人は、このチャンスをぜひモノにしましょう。
たとえ犬を飼っていなくても、犬の散歩をしている人に飼い犬を誉めると喜んでくれます。

 

「かわいいワンちゃんですね。何という種類ですか?」
「かしこいワンちゃんですね、何歳ですか?」

 

飼い主さんは、飼い犬を家族同様にかわいがっています。
我が子のように溺愛している人も、少なくありません。犬を散歩させている飼い主さんは、人に話しかける練習の、絶好の相手といえます。

 

また、赤ちゃん連れで外出しているお母さんも話しかけやすいです。
赤ちゃんを抱っこしているお母さんが電車に乗ってきたら、「こちらの席にどうぞ」と、席を譲ってあげましょう。

 

また、隣の席の赤ちゃんがむずがって泣いてしまい、お母さんが「すいません」と謝ってきたときも、雑談のチャンスです。
「バアー」と、赤ちゃんをあやし、「赤ちゃんを連れての外出は大変ですね」などと話しかけましょう。
このような場の会話は、電車に乗っている間だけで終わってしまいます。
ですから、気楽に話せるというメリットがあります。

 

自分から話しかけられないという人は、オバチャン、犬を連れた飼い主さん、赤ちゃん連れのお母さんに、ぜひ練習台になってもらいましょう。

 

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徐々にハードルを上げていく

初めて行くバーや美容室で、雑談をする。
タクシーの運転手と雑談をする。
思い切ってパーティに参加してみる。といった具合です。
自分の力試しと、実力アップが同時に出来るおすすめのトレーニングです。

 

特におすすめなのがタクシーの運転手さん。
ストレスがたまったときの相談相手としても、とてもいい話相手になります。
何かイヤなことがあったら、タクシーに乗ってみましょう。
そして運転手さんに、

 

「客相場だから大変でしょう?」
「イヤなこととか言われませんか?」
「客なんだから何を言ってもいいとか思っている人も多いんじゃないですか?」

 

など、自分が感じているストレスを“質問”するフリをして、相手に話してもらいましょう。

 

そうすれば、運転手さんはここぞとばかりに話してくれます。「いやー、いますよ、そういう人」などと、自分の経験談を披露してくれるはずです。
タクシーでの運転手さんとの会話は、お互いが進行方向を向いていますから、直接目を合わせて話すわけではありません。
こちらは風景を見たり、相手の後ろ姿を見たりしながら、運転手さんはバックミラーであなたのほうを時々チラッと見ながら話すことになります。ですから、対面で話すよりリラックスできます。
そして、相手の話に合わせて、自分からグチをこぼすこともできます。

 

話し下手、人見知りをする人は、知っている人に対しても雑談で気軽にグチをこぼせないという人も多いのではないでしょうか。
しかし、タクシーの運転者さんは一期一会です。
タクシーに乗っている間だけのお付き合いですから、旅の恥はかき捨てではありませんが、それほど気負わずにグチをこぼすことができます。

 

それにタクシーの運転手さんは、毎日毎日、色々なお客さんを乗せていますから、面白エピソードの宝庫です。
こんなおもしろいお客さんがいた、こんなイヤなお客さんがいたとユニークな体験談をたくさんもっています。
生きた人間模様を聞けるというのも、タクシー運転手さんと話す大きなメリットです。

 

タクシーは「人から聞いた話」のネタの宝庫なのです。
このときに聞いた話を、「タクシーの運転手さんから聞いた話なんだけどね」と、雑談ネタとして使うことができます。
タクシーに乗ったら黙っているのはもったいないです。
積極的に話しかけて、運転手さんのネタを自分のものにしてしまいましょう。

 

会社などで30秒雑談に挑戦する

社内の廊下で顔を合わせたときに、トイレで手を洗っているときなど、ほんのちょっとの出会いを雑談に生かすことができます。
このような状況での雑談は、せいぜい30秒程度でしょう。

 

一昔前は雑談と言えば、終業後に飲み屋で一杯やりながら、または昼食を一緒に食べながらなど、じっくりと腰を据えて話すのが一般的でした。でも最近は、会社の人との飲み会を嫌がる人も多いですね。

 

昔は、上司に飲み会にさそわれたらまず断らないのが常識でしたが、今の若い人の中には、パワーハラスメントと感じる人もいるのではないでしょうか。ランチに誘われても、「お弁当ですから」などと断る人もいます。

 

しかし30秒程度なら、それほど精神的な負担を感じずに雑談できるのではないでしょうか。
人と人とのつながりが希薄になっており、何事もスピーディーに効率的に進めようという風潮の中では、悠長に長話をしている時間をムダと感じる人も多いものです。
しかし、30秒の会話なら、このような現代のニーズにぴったりなのではないでしょうか。

 

わずか30秒で何が話せるのかと思うかもしれませんが、30秒は意外と長いものです。

 

出会い頭の雑談であっても、30秒で何かしらまとまった会話が交わせます。1分も話をすれば、かなり込み入ったことまで話せます。

 

廊下で出会ったときに「お疲れ」、「よお」と挨拶をするのに5秒もあれば十分です。その後の残りを雑談にするとして、じっさいに時計で計りながら、30秒間話してみてください。たぶん、15秒も経たないうちに、言葉が出てこなくなったという人が大勢いると思います。

 

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A「こないだ話してたあの映画、日曜日に見に行ってきたよ。期待以上におもしろくて驚いた」
B「そうなんだ。行こうかどうしようか迷ってたんだ。」
A「主演もいいんだけど、脇を固める俳優陣がベテラン揃いで重厚感があって、引き込まれたよ」
B「そっか、じゃあ今週末オレも行ってみよう」

30秒もあれば、これくらいまとまった会話ができます。

 

ただ、出会い頭の雑談は、挨拶に続く一言が、なかなか出てこないことも多いものです。ある程度のボリュームのある話題を、相手に合わせて話すのは、話し下手の人にとっては難しいことだと思います。

 

このようなときに困らないために、日頃から出会い頭の雑談で話すネタをストックしておくことをおすすめします。話のネタのストックが多いほど、同僚や先輩、上司などいろいろな人に話しかけられるようなります。

 

これは経理の○○さんに話そう、この話題は先輩がよろこびそうだなと、ストックの中から相手に合わせてネタを選べるようになったらしめたものです。出会い頭が待ち遠しくなるような、ネタを探してみましょう。

 

阪神ファンの先輩なら、阪神が勝った翌日に、試合のことを話題にすると盛り上がるでしょう。ディズニーが大好きな女子社員には、ディズニーネタ、ゴルフが趣味の上司にはゴルフネタなど、相手に合わせたネタを集めてみましょう。また、オールマイティーに誰にでも話すことができる話題も用意しておくと、万全です。

 

社内の廊下で出会ったときだけでなく、道を歩いていて知り合いとばったり出くわしたときなどにも、使えるのではないでしょうか。

 

30秒だけ雑談すると決めて、何度も練習したり、実践を繰り返したりすれば、雑談への抵抗力が少なくなって、どんどん雑談が上手になっていきます。出会い頭の30秒の会話は、雑談の腕を上げる格好のトレーニングです。

 

 

接客スタッフを観察する

接客業は雑談力が大切ですので、そのスタッフさんや店員さんからは学べるポイントが多くあります。
実際ついつい通ってしまういきつけの店などは、話しやすいお店が多いのではないでしょうか。

 

雑談が楽しい美容院、気配りが出来るクリーニング屋、ちょっとしたおすすめが嬉しい総菜屋さん。
また行こうという気持ちにさせてくれる接客には、心地よい雑談のテクニックが秘められていたりします。
若い女性が喜びそうな話題を振る、年配の男性の口に合いそうな料理を勧める、プロが持ってる情報で有益なアドバイスをする。
どれも接客業のプロフェッショナルなら普通にやっていることですが、日常の雑談に応用すると周りと大きな差をつけることができます。
「いい接客で気持ちいいな」と思ったら、なぜ良いと思ったのかを分析して、雑談にもどんどん取り入れていきましょう。

 

逆に、不快な接客を受けた場合、「こういう話し方はしないように気を付けよう」とポジティブに捉えれば、雑談で失敗するリスクを減らすこともできます。

 

メモを取れば確実に周りと差をつける雑談上手になれます。
仕事を覚えるときには大体メモを取ると思いますが、雑談でメモを取っている人はほとんどいません。
ですから行動に移すだけで、効果は折り紙つき。
簡単に出来るのに、効果抜群なのが「雑談メモ」を取ることです。

 

テスト勉強でも、ノート付けからの復習をしないと良い点は取れません。
雑談もしかりです。
雑談した後は、「趣味」「年齢」「家族構成」「誕生日」など、知った情報をメモしておきます。
そして継ぎに会ったときに、その中の情報を出す。
たったこれだけで「あ、この人は私のことを覚えてくれている。一人の人間として見てくれている」と伝わります。

 

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雑談用のメモを取る

雑談用にメモを残す習慣を付けると、雑談力向上に効果的です。
スマホを持っている人なら、指先でちょちょっと記録が残せるので、スマホにメモしておくのがおすすめです。

 

例えば誰かと1度話す機会があったら、話終わった後記憶に残っていることをすぐメモするようにします。
折角1回目のコミュニケーションで距離を縮めても、話を忘れてしまってはまた情報ゼロからのスタートになります。
それだと距離を縮めるのにも、時間がかかってしまいます。
雑談の内容をメモすることはは、相手と仲良くなるまでの時間を短縮してくれる効果的な方法です。

 

多くの人は、一度目の雑談が無かったように振る舞ってしまい、雑談で縮めた距離を二度目にリセットしてしまいがちです。
雑談で得た情報をメモしておき、必ず二回目以降の雑談で披露するようにしましょう。

 

「先日教えていただいた映画、早速レンタルしてみました。最後のBGMで涙が止まりませんでしたよ」
「この間○○さんの出身地の函館に行ってきました。活イカが最高に旨かったです」

といった具合に、覚えている情報は具体的であればあるほど良いです。
「あれ?そんなこと話したっけ?」と相手が忘れていたとしても、自分の話しを覚えてくれていたことに感動するはずです。

 

「また、おすすめの映画教えてください」「函館の美味しいお店ご存じだったら教えてください」とさらにこれからの関係を続けたいような+αの一言が出来れば満点です。

 

インプットとアウトプットを上手に使えば、雑談上手は目の前です。
気になるネタ、面白い話があったらなんでもメモする習慣をつけておくことをおすすめします。

 

普段からリアクションの練習をする

リアクションが気持ちいい人は、話す方も嬉しくなるものです。
反応がいいひとには周りに人が寄ってきやすいので、話す機会が増えて自然と雑談に慣れる環境を作ることもできます。

 

良いリアクションができるようになるためには、普段からちょっとしたことにリアクションすることが重要です。
積極的に反応するクセを付けましょう。

 

金木犀の香りを嗅いで「もう秋ですねぇ」
大盛りのご飯が来たら「すごいボリューム!」
お弁当食べながら「この唐揚げウマ!」
緑道を歩きながら「木漏れ日が気持ち良いですね」

 

こういったリアクションを意識的にやっていくと、いつ話しかけられてもすぐに反応できるようになります。
また、普段から物事に反応する姿を周りに見せていると、周りにも安心感を与えられます。
「話しかけても反応してくれる」と思われればしめたもので、話しかけやすい人だと思ってもらえます。

 

また一人でいるときもリアクション、リアクションのトレーニングは出来ます。
テレビを見ながら「なんでやねん」「なるほどね」とか反応する習慣を付けておくのもいいでしょう。

 

また、外出先でもボソッと感想を独り言で言うのも効果的です。
例えば家具売り場に行ったときなら

 

「この椅子座りやすいなぁ・・・」
「このテーブル高すぎない・・・?」

 

といった具合で、独り言を言うのも立派なトレーニングです。
ただし外で独り言をいうときは、周りに聞こえないくらいの小さな声でボソッと言うようにしてください。
大きな声で独り言を言っていると、周りから変な目で見られてしまうかもしれません。

 

7割で話して3割で考える習慣を身に付ける

話のプロであるアナウンサーは、新人研修で「7割で話して3割で次の展開を考える」と教わります。
この技術を意識的行っている人はほとんどいないので、習慣付けることで周りと大きな差を作ることができるようになります。

 

具体的な練習方法は、①話すこと自体に慣れる、②話しながら考える負荷をかける、という2種類が効果的です。

 

①「話すこと自体に慣れる」の練習方法としては、「実況中継トレーニング」が効果的です。
実況中継トレーニングは3段階で行いますが、お風呂に入っているときや、道を歩いているときなどいつでも可能です。
第一段階として、目に映るものをそのまま言葉にして声に出します。
これだけでも言語化する能力が上がります。

 

お風呂で練習する例

今お風呂に入っています。白い壁が見えます。その左にはシャワーがあります・・・

 

慣れてきたら第二段階として、そこにさらに「自分の感想や説明」を入れて声に出します。
お風呂で練習する例

今お風呂に入っています。熱めの温度です。白い壁が見えます。よく見ると黒いシミがあります。白髪染めが付いてしまったんでしょうか。その左にはシャワーがあります。シャワーヘッドは3年前に買い換えました。

 

それにも慣れたら最終の第三段階として、そこにさらに「思い出したこと」を入れて声に出します。
お風呂で練習する例

今お風呂に入っています。熱めの温度です。熱めのお風呂と言えば、去年草津旅行で入った温泉がとても熱かったのを覚えています。草津という行先は妻が「湯もみを生で見てみたい」という要望もあって決まりました。白い壁には、白髪染めが付着したと思われるシミがあります。白髪と言えば、最近は頭だけじゃなく、髭にも白髪が混じってきて・・・

 

②「話しながら考える負荷をかける」の練習方法としては、「お題入れ込みトレーニング」が効果的です。
やり方としては、まず「スポーツ」「料理」「地名」「お酒」など、なんでもいいのでお題を1つ決めます。
そして会話の中で、できるだけ自然にそのお題を入れ込むという練習方法です。

 

これらのトレーニングをしていくと、今まで10割全力で会話していたのが、7割ほどの力で話せるようになってきます。
そうすると余力の3割で相手の表情を見たり、話した内容を覚えておいたりすることができるようなります。

 

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