話し方上達トレーニング方法|話が上手くなるテクニックをご紹介
7割で話して3割で考える
話のプロであるアナウンサーは、新人研修で「7割で話して3割で次の展開を考える」と教わります。
この技術を意識的行っている人はほとんどいないので、習慣付けることで周りと大きな差を作ることができるようになります。
具体的な練習方法は、①話すこと自体に慣れる、②話しながら考える負荷をかける、という2種類が効果的です。
①「話すこと自体に慣れる」の練習方法としては、「実況中継トレーニング」が効果的です。
実況中継トレーニングは3段階で行いますが、お風呂に入っているときや、道を歩いているときなどいつでも可能です。
第一段階として、目に映るものをそのまま言葉にして声に出します。
これだけでも言語化する能力が上がります。
お風呂で練習する例
今お風呂に入っています。白い壁が見えます。その左にはシャワーがあります・・・
慣れてきたら第二段階として、そこにさらに「自分の感想や説明」を入れて声に出します。
お風呂で練習する例
今お風呂に入っています。熱めの温度です。白い壁が見えます。よく見ると黒いシミがあります。白髪染めが付いてしまったんでしょうか。その左にはシャワーがあります。シャワーヘッドは3年前に買い換えました。
それにも慣れたら最終の第三段階として、そこにさらに「思い出したこと」を入れて声に出します。
お風呂で練習する例
今お風呂に入っています。熱めの温度です。熱めのお風呂と言えば、去年草津旅行で入った温泉がとても熱かったのを覚えています。草津という行先は妻が「湯もみを生で見てみたい」という要望もあって決まりました。白い壁には、白髪染めが付着したと思われるシミがあります。白髪と言えば、最近は頭だけじゃなく、髭にも白髪が混じってきて・・・
②「話しながら考える負荷をかける」の練習方法としては、「お題入れ込みトレーニング」が効果的です。
やり方としては、まず「スポーツ」「料理」「地名」「お酒」など、なんでもいいのでお題を1つ決めます。
そして会話の中で、できるだけ自然にそのお題を入れ込むという練習方法です。
これらのトレーニングをしていくと、今まで10割全力で会話していたのが、7割ほどの力で話せるようになってきます。
そうすると余力の3割で相手の表情を見たり、話した内容を覚えておいたりすることができるようなります。
ミラーリングを練習する
人には様々な性格がありますが、誰もが皆多かれ少なかれ「自分を理解してほしい」と思っています。
とはいえ本当の意味で相手を理解するのは大変なことです。
初対面の人ならなおさらで、ほとんど不可能です。
しかし、初対面の相手でも「この人は分かってくれているかも」「話しやすいかも」と思わせるコツはあります。
それが、相手の口調やしぐさを真似ることで、「ミラーリング」と呼ばれるテクニックです。
オウム返しする
「初めてのUSJ、楽しくて感動した!」
「感動したんだ!」
語尾を真似る
「あのイタリアン、美味しかったんだよねー」
「あそこ、有名だよねー」
相手の行動を真似る
・相手が水を飲んだら自分も飲む
・相手が髪をかき分けたら、自分もかき分ける など
このように相手と似た行動を取ることで、「この人は自分と似た仲間だ」というメッセージが無意識に相手に伝わります。
人間にはミラーニューロンという脳神経細胞があり、相手に共感するように出来ているので、自分と同じ動きの人には仲間意識が生まれてしまうのです。
応用編として、相手の動きのクセが分かったら、先回りしてあなたが行動してみてください。
こう言うだろうな、こうするだろうなという予測が立てて、先にやってみるのです。
あなたの先回りに相手が同調すれば、お互いにミラーリングになり相乗効果が生まれます。
相手のクセを得意げに指摘する人もいますが、とても勿体ないです。
クセを本人が気にしていることもありますし、気にしていなくても相手に指摘されるとプライドが傷ついてしまうこともあります。
指摘してしまったらミラーリングも使えなくなってしまいます。
クセを発見したら、ミラーリングで仲間意識を刺激するのが一番お得な使い方です。
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話に数字を入れられるようにする
会話の中では積極的に「数字」を使ってみてください。
数字を聞くと、相手が頭の中に具体的なイメージが浮かぶので、抽象的な話よりも聞き手が楽しみながら話を聞くことが出来るようになります。
このテクニックはとても簡単なものなのですが、意識的に使っている人はあまりいないのでおすすめです。
実際に、キャッチコピー、本のタイトルにも数字が多く取り入れられています。
例
「幸せになるための10個のルール」
「人は見た目が9割」
「7つの習慣」
人の目につくようにあえて数字を入れているのです。
数字が入っている方が、人の興味を引くことができる証明といっていいでしょう。
会話で使うなら
「昨日早起きした」よりも「4時に起きた」と言った方が、「すごい早起き!」と思わせることができますし、
「先週、ライブたくさん行っちゃったよ」よりも「先週、ライブ5回も行っちゃったよ」のほうが、「ほとんど毎日じゃん!」と思わせることができます。
このように相手の感情を揺さぶるだけで、「そういえば、私も」と相手の話が広がる可能性もあります。
「はい、いいえ」で会話を終わらせない
話し方を上達させるには、質問に「はい」「いいえ」だけではなく、少し自分の話を上乗せして話す機会を増やすのがおすすめです。
例えば「通勤時間は1時間くらい?」と聞かれたら、「はい」だけではなく、一言自分の話をしましょう。
例
「はい、だいたい1時間ですね。小説が好きなので、いつも電車の中では読書してます。」
「はい。でも、家の最寄り駅から始発が出ているので座っていけるんですよ。」
「はい、いいえ」の後に一言加えるだけで、「私はあなたとコミュニケーションをする気持ちがありますよ」というメッセージを込もるので、相手に好印象を与えることができます。
自分の話は一言二言で短く切り上げて、それに対する相手のリアクションをしばらく待つのもいいですね。
先ほどの例でいえば、質問した相手も実は通勤時間について何か話したかったから、質問してきたかもしれないからです。
また、あなたが答えた内容に興味をもってさらに質問してくる可能性もあるからです。
質問してくれたからといって、自分の話ばかりするのは考え者です。
相手からどう返ってくるのか、ゆっくりと最低5秒は相手が話し始めのを待ちます。
こういった話の型をいくつか身に付けるのが、話し方を上達させるトレーニングとなります。
マジックフレーズをいくつか覚える
会話に苦手意識があるなら、トレーニングとして「マジックフレーズをいくつか覚える」というのが有効です。
使いやすいうえ、盛り上がったり、相手が喜んだり、響いたりする便利なフレーズをご紹介します。
良い意味で
「良い意味で」は薬味のように、嫌味を消してポジティブなイメージを与えられるフレーズです。
「良い意味で」付けるとだけで悪口でも嫌味が消えて、むしろ笑いっぽくもなります。
「良い意味で、適当ですね」
「良い意味で、無気力ですね」
「良い意味で、ズルイですね」
良い意味でを付けると、なんだか間の抜けたニュアンスが生まれます。
言葉の毒が中和され、その言葉の裏側にあるポジティブな意味が無言で相手に伝わります。
中途半端は、手広い。
冷たいは、クール。
ズルイは、賢い。
「良い意味で」のひとことが、悪口を誉め言葉のように変えてしまいます。
ここだけの話、私○○なんです
相手との距離をぐっと縮めたいときに使えるとフレーズです。
ギブアンドテイクは、人間関係にもあてはまって、心理学では返報性の原理とも呼ばれます。
先に自分から何か恥ずかしいことをさらけ出すと、相手もお返しをしなくてはという心理が働きます。
「ここだけの話、私いい歳して昆虫採集が趣味なんです」
「実は私、異性と交際したことなくて」
「ここだけの話」ではなく、「実は」とか「皆んなにはナイショなんですが」とかでも大丈夫です。
注意点として、ナイショの話風な自慢話をしないようにしてください。
「皆んなにはナイショなんですが、タワーマンション買っちゃいまして」
これでは単なる自慢で、相手との距離は縮まりません。
自分の恥ずかしい話や弱点をみずからあげつらうことで、初めて相手も無防備になって本心を明かしてくれます。
本人を前に言うのは失礼かもですが
相手を褒めるときに使えるのが、「本人を前に言うのは失礼かもしれませんが」というフレーズです。
一瞬「え、何を言い出すんだろう」と思わせてから褒めることで、緊張が緩和して笑いにもなります。
例えば会社での飲み会で「課長の仕事はやっぱりスゴイ」と言っても、皮肉と捉えられてかえって逆効果になることがあります。
そこで「課長、本人の前でこんなこと言うのは失礼ですけど」と添えてから「やっぱり課長の仕事はスゴイ」
と言うと、同じ褒められるでも全然違う印象になります。
周りで聞いてる人に対しても、ゴマスリに聞こえにくくなります。
その後「あっ、失礼なこと言ってすみません」と引き下がれば、思いがけない褒められ方をした相手は、酔った頭の片隅にボンヤリとしたいい印象が残ります。
特に飲み会でおすすめなフレーズとなります。
他にも、「本人を目の前にして言うのも嫌だけど」「こうして会ってるから言うんじゃないんですけど」といった言い方もありです。
あっという間に時間がすぎちゃった
飲み会などの終わり際にキレイな余韻が残せる一言です。
相手に好印象を与えまて、「また会いたい」と思ってもらえます。
コツはぼそっと独り言のようにつぶやくことです。
「あっという間に時間がすぎちゃった」
「あー、今日は楽しかった」
会話も終わりよければ全て良しです。
ぼそっと一言、別れ際に使うだけで、相手にとても響きます。
すみません全然知らなくて。でも教えてください!
下調べが足りず、自分の知識が中途半端な時、相手の趣味の話に全然付いていけない時に使えます。
相手は「知らない」と言われて一瞬ムッとなるかもしれませんが、こっちが前のめりで教えてくださいというと仕方ないな、という気持ちになります。
「全然知らない」と無知を白状してからだと少しでも知識があれば「よし、そこは知ってるのか」といい方に解釈してくれたりもします。
分からないことや苦手なことを隠そうとして知ったかぶりすると、かえって攻撃されたり信頼を失いかねません。
ちょっと違うかもしれないんですが
「ちょっと違うかもしれないんですが」と言ってから、あまり違わない話をするのがポイントです。
会議だったら、似たような意見を言う。
雑談だったら、似たような経験を言う。
例えば、前の発言者の意見にあなたも賛成だと言う場合。
「私も同意見で実は~」と入るよりも、
「ちょっと違うかもしれないんですが~」と入ると(意見に反対する気か!?)から(なんだ良かった同じ意見じゃないか)と好印象で終われることが多いです。
他に雑談でも、例えば誰かが失敗談で周りを沸かせているときに
「私も同じような経験があって~」と入るよりも「ちょっと違うかもしれないんですが~」と入ると(え、盛り上がってるのに話変えちゃうの?)から(なんだ同じような経験で話の続きじゃん!)と好印象になりやすくなります。
どんなシーンでも使いやすいフレーズなので使ってみてください。
好きな人にはたまらないんでしょうね
自分には合わないことやんわりと伝えるときに、一般論にすり替えてしまうフレーズです。
食べ物やお酒を勧められて一口もらったリアクションで自分の口に合わなくても「これは好きな人にはたまりませんね~」と言えば相手を喜ばせることができます。
もしも相手のおすすめの品だったときに「不味いです」では気分を害してしまいかねません。
正直な感想を言えて、誰の不幸にしないフレーズなのでおすすめです。
会議で発言してみる
会議はいろいろな意見交換を活発にしながら進行するのがベストですが、実際はなかなかそうはいかないものです。
遠慮がちな人は何も発言せず、自己主張が強い人はどんどん発言して、結局一人、二人の独壇場になる会議の方が実は多いと思います。
そんな雰囲気と、何も決まらない会議、会議自体が苦手という方も多くいらっしゃいます。
しかしこの会議も話し方の練習の場だと思って活用するのがおすすめです。
会議で発言ができると自身が一気に身に付くので、試してみてください。
こちらではとっつきやすい会議での無難な発言方法をご紹介します。
相槌を発言する
上司「何かいいアイデアはあるかね?」
同僚A「最近はスマホアプリでポイントが貯まったりしますね」
あなた「ポイントが貯まるとお得感ありますからね~」
同僚B「ポイントを貯めること自体が好きな人もいますから。ポイントを貯めた達成感を演出できないですかね」
あなた「達成感は確かにほしいですね!」
他の人の意見を相槌のように、そのまま復唱していますが、これだけでも黙っているより会議の場の雰囲気が格段に良くなります。
賛成意見のように使うので、発言者の気分も乗せることができます。
意見を求められたら引用する
意見を求められたら、前に誰かが言った意見を引用するのが無難でおすすめです。
同僚C「達成感なら、やはり限定商品をプレゼント、とかどうでしょう」
上司「なるほど。君は何か意見はあるかね」
あなた「Cさんの意見と似ていますが、限定○○なんてどうでしょうか」
引用することでCさんの顔を立てることができますし、仮に良い反応がなくても連帯責任にすることができます。
また、引用できるような発言がなかった場合でも、ニュースや雑誌の記事などを引用すれば説得力を持たせることができます。
このように自分でアイデアが浮かばなかったとしても、発言せずに気配を消すよりはリアクションを取ったり、相手の意見を膨らませたりして会議を「手伝う」ようなスタンスでも会議に貢献することができます。
発言が難しそう会議では無理をしなくて大丈夫です。
そういう会議では「今日は勉強をしにきたんだ」という気持ちで一生懸命メモをしたり、聞いているだけでも、雰囲気は周りに伝わります。
「かいわ」を意識する
話し方の大事なポイントは「か・い・わ」の頭文字であらわすことができます。
か・・・簡潔に話す
い・・・印象に残るように話す
わ・・・わかりやすく話す
この3つのポイントを意識して話せば、失敗することはなくなります。
簡潔に話すには、結論から話すのがおすすめです。
話は一番面白いところから話して、あまり話が長くなりすぎないようにしましょう。
印象に残るようにするには、声に抑揚をつけることが望ましいです。
相手に印象付けるには抑揚をつけたほうが、聞き手も退屈しません。
また、相手がイメージしやすいように、色や匂いが浮かぶような言葉を使いましょう。
色なら具体的に「赤や青」、匂いならすぐ想像つくような身の回りのものを出すのがおすすめです。
「昨日チューリップ園にいって良い匂いだったよ」
→「昨日チューリップ園に行ったら、一面真っ赤なチューリップで、石鹸みたいな良い匂いに包まれたよ」
最後に、わかりやすく話すために、相手目線で話す姿勢が大切です。
専門用語は使わず、相手が理解できる言葉を選び、きちんと理解できているか、立ち止まりながら話すことも必要です。
相手の質問はオウム返す
相手が質問してきたことは、必ず同じことを聞いてあげるようにしましょう。
これはほぼ100%相手を喜ばせることができる、「オウム返し質問」です。
例えば、「野球って観ますか?」と聞かれたときは、例え観ないとしても「いいえ、観ません」で終わらせず、必ず同じ質問を相手してあげるのを習慣付けてください。
こういう質問をしてきたときは、相手自身が野球の話をしたがっている可能性が高いからです。
「いえ、あまり観ないんですが興味はあります。野球ご覧になるんですか?」
人は、みんな自分の興味があることについて語りたい気持ちがあります。
「でも自分からいきなり趣味の話をし出すのもちょっと・・・」といった具合で、相手に興味あるかを探るためにまず質問してみることがよくあります。
なのであなたから、オウム返しでそのことについて質問し返してくれれば、まさに渡りに船です。
相手が喜んで話し始めたらしめたもので、喜んで話を広げてくれるはずですし、あなたに対して「話しやすい人だな」と好印象を感じるでしょう。
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