職場でのネガティブな話、言いにくいことは「明るく伝えよう」
ネガティブな話こそ明るく話す
ビジネスの場では言いにくいことも、伝えなければならないことがあります。部下を叱る、上司に反対意見を提案するなど、聞く方もイヤなら、言う方もイヤなものです。
しかし、イヤだからといって逃げてばかりいては、物事は進捗しません。
また、プライベートでも子どもを叱る、恋人の悪いところを指摘する、友人に意見するなどということもあるでしょう。
このような場合では話す内容も大切ですが、それ以上に「話のもって行き方」が大切です。
ネガティブな話を暗いトーンでもちかけるのはNGです。「あのですねえ……、実はですねぇ……」と暗い雰囲気で話しかけたら、相手は何か嫌なことを言われると身構えてしまいます。人は身構えると、相手と距離を離そうとしますし、素直に耳を傾けたくないという気持ちになりやすいのです。
ですから、言いにくいことを言うときに、暗いトーンで話しかけるのはおすすめできません。しかめっ面も禁物です。笑顔で明るく、正々堂々と話しかけましょう。「○○君、この企画書なんだけど、この部分はこうした方がいいと思うよ」と、にっこり笑って明るく伝えましょう。そうすれば、相手も素直に「わかりました」と訂正してくれるはずです。叱られたことで多少落ち込んでも、明るい指摘の場合は、すぐに立ち直れます。
反対に、「君ぃ……、この企画書のこの箇所なんだけどねぇ……、良くないよ。訂正しなさい」などと、暗く、重いトーンで叱られたとしたらどうでしょう。反発心が起こるのではないでしょうか。相手に悪く思われたくないからといって、遠回しに指摘するのは禁物です。「カラッ」と明るくがコツです。
上司に対しても、正々堂々と意見を伝えましょう。上司に自分の意見を伝えるときは、「あのぉー、お暇なときでいいのでぇ……」などと切り出すのではなく、「プロジェクトのA案に関してお話させていただきたいのですが、今お時間いただけますか?」とズバリと聞きましょう。時間があれば今聞くと答えてくれるでしょうし、忙しければ明日の午後などと時間を指定してくれるはずです。うだうだと暗いトーンで切り出せば、忙しい!の一言で切り捨てられるケースもあります。
また、上司への意見に対しては、こちらの意見について考えてもらう必要があります。どうすれば、こちらの意見も考慮してもらえるのか作戦を練る必要があるのです。
まず、ツカミを考えましょう。ゴルフが好きな上司なら「部長、この前の社内ゴルフで1位おめでとうございます。ドライバーでめちゃくちゃ飛距離を稼いだそうですね。今度教えてください」とか、野球のヤクルトスワローズが好きな上司なら、「ヤクルト、昨日の逆転ホームランはすごかったですね。上位争いで差を付けそうですね!」など、相手が気分良く話せる話題をまず提供して、場を和やかにしてから本題へと導くのが話をスムーズにもっていくコツです。
また、ツカミで飲みに行きませんかと誘う方法もおすすめです。「予約の取れない居酒屋で有名な○○、押さえらそうなので、今度の週末、予定がなければ飲みにいきませんか」、「あの店か、前から行きたかったんだ、予定を空けておくよ」と約束を取れれば、次の本題へと入りやすくなります。また、上司を自分のお金で飲みに誘うのも有効です。上司と部下で飲みに行くと、上司が部下におごるのが普通です。しかし、たまには部下からおごってみましょう。「このあいだ宝くじで7万円当たったんです! いつもお世話になっているので、是非おごらせてください!」と、いつもとは逆にこちらのおごりで飲みに誘ってみましょう。
上司は誰でも、部下から慕われたいと思っています。部下からおごられる上司は、まさにそんな理想の上司ではないでしょうか。このような思わぬ好意に対して、嬉しく思わない上司はいないはずです。このようにさまざまな工夫で、まずは相手の心を開き、話し合いの雰囲気を作ることが大切です。