上司にボケる、先輩にツッコミを入れる|ビジネスでの笑いの取り方

ボケ、ツッコミ、イジリを状況に合わせて使う

お笑い芸人の役割には、ボケ役とツッコミ役があることはよく知られています。
ボケ役のボケとは「おとぼけ」のボケのことをいいます。
会話の中でトンチンカンな発言やとぼけた仕草をして笑いを引き起こす役です。

 

一方のツッコミ役は、ボケ役の勘違いや間違った発言を指摘して、ココが笑うところですよと観客に教える役割です。
お笑い芸人ではダウンタウンの松本人志さんがボケ役で、浜田雅功さんがツッコミ役などがよく知られています。

 

またバラエティ番組では、イジリ役とイジられ役がいて、お茶の間を沸かせる軽快なトークを繰り広げたりもしています。
ビジネスシーンでは、臨機応変にボケ、ツッコミ、イジりイジられ役を演じることで、より円滑なコミュニケーションが取れるようになります。

 

性格的にツッコミの方が得意の人もいれば、ボケの方が得意な人もいます。
しかし、どちらのテクニックも身に付けておけば、さまざまなビジネスシーンで役立ちます。

 

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上司相手にボケる

ボケ役は、自分を相手よりワンランク落とすアホ役になるという奉仕の精神が基本です。
たとえば女性が会社の上司から「まだ、結婚しないのか」と尋ねられたら、カチンくるでしょうしこのご時世セクハラにもなりかねません。
しかし、食って掛かるのはトラブルのもとです。
「ほっといてくれ」と言いたいところですが、円満に流すにはボケておくという手もあります。

「こんなに美人なのに、誰からも口説かれないんです。どうしてなのかな~?(笑)」

このようにカチンとくる質問には、ボケで返す。
その場で角を立てないように流しておいて、とても容認できないようなら後に然るべき部署に相談するというのがいいでしょう。

 

他にも、打ち合わせで意見の食い違いがあって行き詰った雰囲気になったときや、何らかのアクシデントで職場の雰囲気がピリピリしているときに、ちょっとしたジョークを言うことで、場の雰囲気を和やかにさせるのもボケ役です。

 

場の空気を敏感に察知する能力、的確な言葉を選ぶ能力などが求められますが、誰もが肩に力が入っている圧迫的な空気を和らげて、モチベーションを上げることができるボケ役は、職場のムードメーカーとして信頼される重要なポジションといえます。
ボケ役は、場の空気を読めるスキルが不可欠ともいえますね。

 

先輩にツッコミを入れる

ツッコミ役といえば、手の甲で相手をペチッと叩きながら「なんでやねん!」と言う人というイメージがありますが、ツッコミとは相手のミスを指摘する賢い人という役割ではありません。

 

ツッコミの理想的な立ち位置は「皆さん、うちの相方面白い事言うでしょう?楽しんでいってくださいね!」という周囲へのサービス精神と、相方に対する愛情がベースです。
これをビジネスシーンに置き換えると、相手の話をしっかりと聞いて要約したり、広げたりする役割ということになります。
決して、相手のミスをあげつらうのがツッコミではありません。
相手の良いところに注目し、そこを伸ばしてあげるのがツッコミの役割なのです。

 

ツッコミの基本は、相手の話をきちんと聞き、会話を掘り下げることです。
例えば以下のような会話があったとします。

 

あなた「新しいネクタイですか」
先輩「妻からのプレゼントなんだ」
あなた「そうですか。素敵ですね」
先輩「だろ?ありがと」

 

これだけでも会話にはなっていますが、少し味気ない気もします。

 

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あなた「新しいネクタイですね」
先輩「妻からのプレゼントなんだ」
あなた「ラブラブですね、何かの記念日ですか?」
先輩「いやあ、大したことはないんだけどね、趣味でやっている俳句が賞を取ったんで、そのお祝いだって」
あなた「すごいですね。賞をとるなんて、プロ級じゃないですか。」
先輩「プロは言い過ぎだわ」
あなた「やっぱり奥様へのプロポーズも俳句で・・・?」
先輩「なわけないだろ」

 

相手に興味を持って、いろいろと質問していけば、話はどんどん広がっていきます。
会話例のように少し冗談っぽくツッコミを入れれば、距離感も縮まります。
相手の趣味を知ることができれば、ちょっとしたプレゼントを選ぶときや、今後の会話にも役立つでしょう。
特に取引先とのコミュニケーションでは、相手の趣味を知ることは重要です。
相手への興味があり、しっかりと話を聞きながら質問をしていけば、何気ない会話からでも相手の趣味を探ることや、プライベートの話を引き出すことが可能です。

 

このようにツッコミ役では、相手の話に興味をもって耳を傾け、話を広げて相手との距離を縮めるというメリットがあります。

 

ビジネスシーンのツッコミとは、「なんでやねん!」と指摘するのではなく、「ええ?それは知りませんでした。もっと教えてください」と、相手に歩み寄っていくことです。
そのためには、相手に対して興味を持つことが大切です。

 

特に初対面の場合は、「どんな人なんだろう?」と好奇心をもって会話しましょう。
「好きなものは何だろう?苦手なものは何だろう?趣味は何だろう?」と、まっさらな気持ちで相手と接しましょう。
特に初対面から10分程度は、その人のことを知るためにアンテナを張って、相手を観察するようにしてみてください。

 

そうすることで、自然と距離を縮めていくことができるようになります。
初対面の人との会話は緊張しますが、相手に興味を持って接すれば、発見がたくさんありますし、それを元に相手との付き合いが親密になっていくプロセスはとても楽しいものです。

 

反応しにくいギャグにも対応できる

上司など目上の人とのコミュニケーションで困るのが、リアクションに困るオヤジギャグへの対応ではないでしょうか。
オヤジギャグが寒いからとスルーするのは禁物です。
ある程度年齢を重ねた人がオヤジギャグを連発するのは、目下の人ともフランクにコミュニケーションしたいという気持ちの表れです。
たとえリアクションしづらい寒いギャグでも、ツッコミを使えば上手にフォローすることができます。
特にお酒の席などでは、場を盛り上げるためにオヤジギャグを連発する上司もいます。
そのような場合は、「場を和ませようとしているのだなと」と相手の気持ちを汲み取って、いっしょに笑い飛ばしましょう。

 

ただし、セクハラまがいの悪質なジョークには、対処が必要です。

「奥様にいいつけちゃいますよ」
「あ、それ女性を敵に回すパターンですよ」

しっかりツッコミを入れつつ、自然と釘を刺すこともできます。

 

オヤジギャグをつまらないとバッサリ切り捨てるのは簡単ですが、そこから広がるかもしれない関係性を閉ざしてしまいます。
オヤジギャグを言う人は、何かしら反応がほしいわけで、仲良くなりたいという気持ちを持っていることが多いもの。
スルーはせずに、優しく鋭いツッコミをしてあげましょう。

 

ただ、年代などの違いで、笑いの感覚がズレていることもあります。
相手の笑いのセンスと、こちらの笑いのセンスが噛み合わない場合は、ツッコミではなく、いじっていく方にシフトチェンジするのも一つの方法です。
相手の面白いところや魅力を引き出すことで、いつもは厳しい上司でもチャーミングなところがあることが分かることもあります。

 

プレゼンでイジって空気を変える

イジるテクニックは、マンツーマンの会話だけでなく、プレゼンテーションなど人前で話すときや、複数の人達と話すときにも役立ちます。
プレゼン中にちょっとしたジョークを挟んで聞き手の反応を見てみたり、「いじりやすそうな人」を探してみてください。
メガネをかけている人、マッチョな人、芸能人に似ている人など、何らかの特徴のある人は「いじりやすい人」です。

 

メガネをかけている人をイジる

「前列2番目のメガネ男子のイケメンさん、あなたならどう思いますか?」

 

芸能人でイジる

「綾瀬はるかさんの妹さんですか?髪型が、綾瀬はるかさんとそっくりですね」

 

プレゼンの空気を変える

「今の話とは全く関係なんですけど、そちらの方姿勢がいいですね。何か武道とかされているんですか?」

 

などと、流れをぶった切ってでもいじりを挟んでおけば、場の空気を淀ませません。

 

人前で話すときは慣れてないと、話す内容ばかりに気が取られてしまいますが、なるべく聴衆の様子を見ながら話すようにすると、聞き手の心に残りやすいプレゼンができるようになります。
相手のリアクションを観察することで、話の持って行き方や、話し方のテンポを変えるなど、臨機応変に対応できるよう訓練しましょう。

 

お笑いのテクニックである「ボケ」「ツッコミ」と「イジり」を組み合わせることで、聞き手惹き付けることができるようになります。
人前で話すことに対する苦手というある方も、こういったテクニックを磨くことで、苦手意識を徐々に克服できるはずです。

 

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