面白いエピソードトークの作り方とは|上手い人の話し方のコツと例文

エピソードトークとは、物語のある話のことです。
テレビでは芸人さんが面白いエピソードトークでお茶の間をわかせていますし、「滑らない話」などのエピソードトークに特化した番組も人気ですね。
鉄板のエピソードトークが1つ2つあると、飲み会や合コン、ビジネスでの雑談など、様々なシーンで笑いが取れてその後のコミュニケーションも円滑になったりします。
こちらではそんな面白いエピソードトークの作り方、話し方のコツを例文を交えてご紹介していきます。

 

エピソードトークとは

エピソードトークとは物語のある話のことですが、さらにいえば「実際にあなたが体験した話」です。
人から聞いたストーリーでは説得力も面白さも半減してしまいます。

 

この実体験を、起承転結で組みなおして、オチを入れることで面白いエピソードトークが出来上がります。
エピソードトークが好まれる大きな理由は、「物語があること」そして「映像が浮かぶこと」です。
なのでエピソードトークを話すときは、相手がイメージできる言葉で物語を説明していくことが大切になります。

 

エピソードトークのネタの探し方

エピソードトークのネタとして理想的なものは、「誰が効いても笑える出来事」ですが、そんな出来事はめったに起こりません。
そのためネタ探しとして現実的な方法は「少し面白い出来事」を掴んで、面白く味付けすることです。
以下ではそんなちょっと面白い出来事を日常から見付け出すコツをご紹介します。

 

ギャップを感じたとき

ギャップを感じた体験は、エピソードトークの良いネタになります。

・強面な上司の趣味が、スイーツ作りだった
・金持ちの社長が、クーポン券マニアだった
・小学生が、大人っぽいことを言っていた

このように、お金持ちがケチだったり、強面の人がビビりだったり、子どもなの大人っぽかったりといった程度のギャップは、日常で多く出くわすものです。
アンテナを張っておくとより気付きやすくなるので、意識的に探してみてください。

 

「お前が言うな」と感じたとき

「お前が言うな!」とツッコミを入れたくなった出来事も、エピソードトークのネタにおすすめです。

・自分より太ってる友達に、「おかわりは太るからやめとけ」と言われた
・ヤンキーが「勉強しろ」と言っていた

このように「この人がこんなこと言うのはおかしい」と感じることがあったら、メモなどに保存しておきましょう。

 

○○すぎる人

周りに「○○すぎる人」がいれば、その人をネタにするのも面白いです。
「ラーメンが好きすぎる」「仕事が嫌いすぎる」「節約しすぎる」「オシャレ過ぎる」などなど、どんなジャンルでも大丈夫です。
そんな人がいたら、その人の行動に注目するだけで、エピソードトークのネタをたくさん提供してくれるはずです。

 

失敗したとき

失敗談は笑いになりやすいので、失敗したときは必ずメモしておきましょう。
失敗談も大きく分けると「失礼」「勘違い」「言い間違い」の3パターンがあります。
ジャンル分けして整理しておくと、話を盛るときにも役立ちます。

 

「失礼系」のネタの例

・友達の彼氏の写真だと気付かず「お父さん?」と聞いてしまった

 

「勘違い系」のネタの例

・年下だと思ってタメ口で話したら、年上だった

 

「言い間違い系」の例

・先生を「お母さん」と呼んでしまった

 

イラっとしたとき

普通に生活していれば、日常でイラッと感じる出来事があるはずです。
イラっとしたということは、あなたの心が実際に動いたということなので、エピソードトークのネタとして面白くなりやすいです。
創作ネタにはないリアリティと熱がこもるので、こういった日常でイラっとしたネタは是非ストックしておきましょう。
そのときの情景を頭に思い描きながら話すだけでも、それなりに面白い話になります。

 

ただし、イラッとした話なら何でも良い訳ではありません。
例えば、悪口のような他人を貶めるエピソードでは聞いている方もうんざりしてしまいます。
エピソードトークに仕上げる前に単なる悪口になっていないかは注意しましょう。

 

「通勤でいつも歩いてる道なんですが、いつも僕が到着する3歩前で赤信号になるんです。
さしかかる直前で必ず赤信号で止められるんでイラッと来るんです。それも直前というところが腹立つんです。
『何なん?ぼくの足が短くて歩幅狭いから悪いの?』って思ってむっちゃ歩幅広くしてみたり、早歩きしてみたりしてるんですが、ダメなんです。絶対赤信号。朝から疲れます」

 

例文は、誰かを貶めるのではなく、ちょっと間抜けな自分の話になっています。
イラっとした自虐ネタ、間抜けな自分の話はエピソードトークのネタにぴったりなので、おすすめです。

 

エピソードトークの作り方

ネタを盛る

エピソードトークに使えそうなネタが見つかったら、「もう少しこうだったらもっと面白い」と思う部分を見付けて面白く改善します。
これが話を盛る作業です。
話を盛りすぎるとウソっぽくなってしまうリスクがあるので、盛る上限は「自分が自然と話せるライン」までにしておきます。
ネタを盛ってウソっぽくなってしまうときは以下の2つのポイントを工夫します。

 

①リアルな描写を入れる
リアルな描写を入れることで、話の信憑性を増すテクニックです。

秋葉原を歩いてたら~
→秋葉原の電気街口から出て、ラジオ館の前を通ったときに~

 

②予防線を張る
あまりに出来過ぎた話をするときに、事前に「本当の話です」と予防線を張るのも効果的です。

・これ、マジですよ?
・信じられないと思いますけど
・ウソだと思われちゃうんですけど

 

フリとオチを作る

フリオチとは相手に「この話はこうなるんだろうな」とフリで想像させてから、オチで裏切るお笑いテクニックで、エピソードトークでも重宝します。

 

オチは話の一番面白い部分で、エピソードトークでは相手にオチがバレないようしないといけません。
このオチがバレないようにするのが、フリの役割です。

 

フリを作るときのポイントは、オチの感情と逆の感情を利用することです。
オチの方が先に決まっていると思うので、オチの感情と逆の感情でエピソードトークを話しはじめるとフリが活きてきます。

 

例1 オチが「ディズニーランドがつまらなかった」(ネガティブな感情)

「片思いの女の子とどうにかディズニーデートの約束を取り付けて、バイトも1カ月前から『この日は休みます!』って楽しみにしてたら!(ポジティブなフリ)
・・・当日、まさかの土砂降りだったんです」

 

例2 オチが「ディズニーランドが楽しかった」(ポジティブな感情)

「男3人でディズニーランドに行くことになって『絶対楽しめない』と思ってました・・・(ネガティブなフリ)
が、いざ皆でミッキーの耳付けたら一気にテンションが上がっちゃいました!」

 

このようにディズニーがつまらなかった話をするならフリは「楽しみな感じ」でポジティブに、楽しかった話をするならフリは「行きたくない感じ」のネガティブにするだけで、簡単に聞き手の意識をミスリードできるフリが完成します。
オチがばれてしまうとフリにならないので、このように上手く聞き手をミスリードすることが大切です。
ただし、ミスリードさせることに重点を置きすぎて、フリが長すぎにならないよう注意してください。

 

オチに向けて手短に作る

どんな話でも長すぎると相手にとってストレスになってしまいます。
エピソードトークをするときは、まずは20秒程度の尺で収まるように作ってみてください。
20秒と聞くと短いと感じるかもしれませんが、実際に話してみると最初はかなり長く感じると思います。
短い時間では全てを伝えることはできないと思いますが、詳細は削ってなるべくコンパクトなエピソードに仕上げるようにします。

 

コンパクトに仕上げるコツは、「これを伝えたい」という話の終着点を明確にすることです。
その話はどこが面白いのか、話す前に一言でまとめてみるのもいいでしょう。

 

笑えるオチがない場合は、「まとめ・感想」程度でもエピソードトークは可能です。
例えば、京都旅行に行ったなら「寺巡りが楽しかった」のか「豆腐が美味しかった」のか、はたまた「何かトラブルがあった」のか、話の終着点を決めましょう。

 

先月京都旅行行ってきたんだけどさ。
古都っていうじゃない?名物が寺とかでしょ。
俺全然興味ないから、正直『関西行くならUSJ行きたいわ!』って思ってたの。
でも、京都の豆腐!・・・あれ食ったらやばかったね!

 

京都の豆腐が美味しかっただけの話ですが、この程度でもゆっくり話すを20秒ほどです。
まずはこのくらいの長さで作ってみてから、肉付けをするとコンパクトにまとまったエピソードトークになります。
終着点を決めないまま話始めるとダラダラと長い話になってしまい、相手を退屈させてしまいます。

 

話の前置きを考える

相手が全く興味を示していない話は、笑いになりにくいです。
笑いのハードルを上げずに「話を最後まで聞きたい」と思わせるには、話に前置き入れるのが効果的です。
前置きとおいっても難しく考える必要はなく、例えば「○○な話なんだけど」とタイトルを付けて見出しにするだけでも大丈夫です。
前置きを入れるだけで、オチが弱くても話が上手くまとまって面白くなる効果もあります。

 

タイトルを前置きする例

・よく怒られなかったなって話なんですけど
・ウソみたいなホントの話なんですけど
・しょうもな!って話なんだけど
・なにそれ!って言いたくなる話なんだけど
・どうでもええわ!ってつい叫んだ話なんやけど

 

他にも話の前置きとして、あるあるネタで共感から始めるのも効果的です。
共感できる前置きがあると、自然と話に入り込ませることができます。

 

共感を前置きする例

・失礼な人ってときどきいると思うんですけど
・人との距離感がおかしい人っていますよね?
・何にもやる気がしない日ってありませんか?

 

エピソードトークの話し方

出だしは低め、ゆっくりと話す

エピソードトークの出だしは声を低めで、テンポもゆっくりと話すのがおすすめです。
いきなりテンションを上げると「これから面白い話をします!」という雰囲気が伝わって、笑いのハードルも上がってしまうからです。
聞き手との温度差があると、共感が生まれにくくなって、笑いも起こりにくくなります。
出だしはテンション低めで、話が盛り上がってきたところでテンポとトーンを上げていくようにしましょう。

 

リズムを意識する

例1

「昨日、新しく出来た居酒屋に行ってきたんだけど、生け簀があって、大将も雰囲気があって、俺好みの店だったんだけど、カウンターには色々美味しそうな刺身が並んでたの。
あれこれ迷ったんだけど、結局マグロの刺身を頼んだら、旨くて、値段も500円って信じられないほど安くって、絶対メディアに取り上げられそうだから、早めに行っておいたほうがいいよ」

 

例2

「昨日、新しく出来た居酒屋に行ってきたんだ。
生け簀があって、大将も雰囲気があって、俺好みの店。で、カウンターには美味しそうな刺身が並んでるの。
あれこれ迷ったけど、俺が頼んだのはマグロの刺身。これが旨いの。そんで値段も500円。信じられないでしょ?
絶対メディアに取り上げられると思うんだ。早めに行っておいたほうがいいよ」

 

例1のように一文一文を区切らずに話すと、聞き手にダラダラとした分かりにくい印象を与えてしまいます。
例2のように一文を短くして、文同士を繋げると、話にリズムが生まれます。
「俺好みの店」「頼んだのはマグロの刺身」といった体言止めを活用すると、聞いていて心地いいリズムが生まれるので積極的に使ってみてください。

 

登場人物を演じ分ける

エピソードトークに登場人物がいる場合は「演じ分け」をするようにしましょう。
なんとなく演じ分けするだけでもエピソードトークに臨場感が生まれて面白くなります。
モノマネのように似せるは必要ありませんが、以下の3つのコツをおさえて演じ分けると、エピソードトークがより面白く伝わるようになります。

 

・仕草を寄せる
声を似せるのは難しい場合、しゃべる様子、仕草、表情などを寄せて演じてみましょう。
仕草や表情を寄せるだけでも、簡単にその人っぽい雰囲気が生まれたりします。
声そのものは似てなくても、高い低いといった声質を寄せるのも効果的です。

 

・先に名前を入れる
先に名前を入れるだけでも、誰のセリフなのか伝わやすくなります。
「今のは誰のセリフだろう?」と聞き手が分からなくなって混乱するのを防ぐ効果もあります。

 

さっき、『山田!仕事しろ!』って課長から怒られちゃった。
→さっき課長から怒られちゃった。『山田!仕事しろ!』だって。

 

・口癖を覚える
声も仕草も似てなくても、相手の口癖をそのまま繰り返すだけでその人っぽさが出るのでおすすめです。
お互いの共通の知人について話す場合、口癖だけで声が全然似てなくても相手に伝わるので、簡単に面白くモノマネすることができます。

 

友達「娘の花ちゃん、今いくつになったんだっけ?」
あなた「3歳半。」
友達「俺が会ったの1歳のときだったか。可愛かったな~」
あなた「でももう娘に言われるんだよ。『ぱぱ、くちゃい』って・・・」

 

擬音を使う

お笑い芸人さんもよく使うテクニックが擬音です。
簡単な擬音を入れるだけで臨場感が生まれ、聞き手が映像をイメージしやすくなります。

 

車が来て、目の前で止まって、窓が開いた。
車がブーンって来て、目の前でキキィッ止まって、ウィーンって窓が開いた。

 

響きが良く、一つで様々な音を表現できておすすめな擬音が「ブワァ~」と「パッ」です。
「ブワァ~」は何かが向かってくるときの音、気持ちがこみあげてくるときの音、冷や汗をかいたときの音などで使えます。
「パッ」も何かが現われたときの音、見たときの音に使える擬音で、「ぱぴぷぺぽ」の音は語感も良いいので、オチの前などに使うと面白い光景が浮かびやすくなります。

 

普通と比較する

普通との比較を使うと、エピソードトークの異常さと面白さを際立たせることができます。

 

普通なら○○って思うじゃないですか?
たいていは○○するじゃないですか?
まともな人なら○○すると思うんですよ。

 

こうして普通の例を挙げて比較してから、その後のオチに繋げることで聞き手の興味を引くことができます。

 

自分の感想を入れる

エピソードトークは、出来事を中心に語られることが多いです。
しかし起こった出来事だけ聞かされているとを、相手は無味乾燥さで退屈してしまいます。
そこに自分の感想を入れると、小説のような楽しさを加味することができるようになります。

 

「最初は○○」くらいに思ってたんです
「え、何が起きたの?」って意味が分からんかったです
「何言ってんだこいつ」って腹が立ったんですけど

 

 

 

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