ビジネスでの電話とメールのコツは、顔が見えないからこそ会話を意識

電話やメールでも会話を意識しよう

 

コミュニケーションの技術は面と向かっての会話だけではなく、電話やメールでのやりとりにも生かしましょう。いくら対面での会話が上手でも、電話やメールが事務的なものであれば、相手との距離はいつまでたっても開いたままです。電話であっても、メールであっても、相手を気遣うサービス精神を忘れないことが大切です。

 

たとえば電話で話す場合、こちらの言いたいことだけを一方的にしゃべる人をよく見かけます。

 

しかし電話の場合は、相手が今どのような状況にいるのかわかりません。ちょうど出かけるところかもしれませんし、人との談話中かもしれません。ですから、相手の状況を常に考慮しながら話すことが大切です。

 

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こちらから電話をかける場合は、こちらの連絡事項を伝えることが目的ですが、それだけを優先事項にして相手の状況を考えない場合、トラブルのもとになりかねません。

 

電話をかける前に、このことを伝えようと頭のなかでシミュレーションしてかけて、そのまま一方的に用件を伝えていませんか。必ず相手の状況や、こちらの話した内容が正しく伝わっているかを確認してください。

 

対面での会話だけでなく、電話やメールも含めてコミュニケーションはすべて、言葉のキャッチボールです。こちらの伝えたい内容を一方的に話して「よし、連絡完了」と自分では思っていても、実は相手が間違えて理解していたり、聞き漏らしていたりすることは多々あります。そうなったときに、「言った」「いや聞いていない」とトラブルになる危険が高いのです。

 

このようなトラブルを回避するために、適度な間を意識しながら話しましょう。対面での会話でも、話したことに相槌を打って、聞いた内容を理解していることを相手に知らせます。

 

電話でも同様です。こちらが話したことに、相手が頷いたり、相槌を打ったりしやすいかどうかを考えながら話しましょう。ビジネスマナーとして、最初に「今、お時間よろしいでしょうか」と尋ねるのはもちろんのこと、「お伝えしたいことは3点です。(間)第1は、……。(間)第2は……。第3は……。(間)。以上ですが、ご不明な点などはございませんでしょうか」と、わかりやすく伝え、話した内容が正しく伝わっているかを確認することは、ビジネスコミュニケーションでは非常に重要です。

 

電話だけでなく、メールでも同じことが言えます。メールは文章ですから、電話以上にこちらの伝えたいことだけを書いて送信する人が多いのです。

 

しかし、メールであっても相手のうなずきや、相槌を意識して、「間」を大切にしたメッセージを書きましょう。

 

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間を大切にするメールでは、「○○様、桜が美しい季節になりました。お花見には出かけられましたか?」ここまで読んだところで、相手は心のなかで(年度替わりで忙しいから行けてないんだよね……)と返答していることでしょう。

 

「さて、先日のお話に出た○○に関してですが、私は中止をおすすめします」(どうして?)
「その理由は、……だからです」(なるほどね)
「その上で2点、おすすめのご提案があります」(どんな提案だろう)
「1点目は……です」(ふむ)
「2点めは……です」(こっちはコスト的に無理があるな)
「いかがでしょうか、いずれかの案で進めてみませんか?」(そうだな、1点目の提案で考えてみよう)

 

一例ですが、相手が頷いたり、意見を考える「間」を意識してメールを書くと、相手も提案を受け入れやすいのではないでしょうか。メール分はテンプレートを作っている人も多く、どうしても通り一遍の内容で、無味乾燥のものになりがちです。

 

事務的な文章の羅列だけでなく、会話を連想させる問いかけをしたり、自分の考えを述べたりすると、親しみやすい雰囲気が作れます。これによって、相手はあたかも自分に話しかけられているように、身近なメールに感じられるのではないでしょうか。

 

また、追伸にプライベートなことや、相手への気遣いを一筆入れるのも効果的です。「寒さが厳しくなりました、お体専一にてお祈りしています」、「週末あたりに、ゴルフでもいかがですか?」など、ちょっとした一言を入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

当たり障りのない表現、通り一遍の会話ではなく、自分らしさがキラリと光る表現を見つけましょう。お笑いを取り入れたコミュニケーションの基本は、相手への愛情、サービス精神です。

 

たとえば、メールの文章作成についても、対面に相手がいなくても、会話をしているような気持ちで書くのがおすすめです。

 

ビジネスメールの冒頭では、「お世話になっております」と書くのがお約束のようになっています。しかし思い切って、お世話になっておりますの代わりに、「こんにちは!」と書いてみたらいかがでしょうか。これでグッと相手との距離が近くなりませんか。

 

また、大和言葉を取り入れるのもおすすめです。女性は大和言葉を取り入れることが多いのですが、男性も随所に使うと、堅苦しさがとれて柔らかな印象になります。

 

大和言葉とは中国の言葉が元になっている「漢語」や、外国からの言葉である「外来語」ではなく、古くから日本で使われてきた言葉です。

 

たとえば、「次に会えるのをお待ちしています」と書く場合、大和言葉を使って「次にお目にかかれる機会を心待ちにしています」と書くと、ちょっと柔らかな雰囲気になります。

 

定型文やテンプレートのフレーズを上手に崩すのは、なかなか難しいものです。しかし、大切なメールの場合は、いつもより時間をかけてでも、自分の肉声を感じさせる文章にすると効果的です。

 

中国との貿易を主体としている会社の社長宛のメールには「你好」と挨拶してみるなど、相手に合わせたフレーズを探してみてはいかがでしょうか。

 

メールも冒頭でツカミのフレーズを入れると効果的です。そして、ツカミで相手をひきつけた後は、真面目でありながら、柔らかい印象で、読みながら相づちを打ちやすい間を考えながら文章を書いていきましょう。

 

何度もいいますが、お笑いはメリハリです。スパイスなようなもので、最初から最後まで、おもしろく柔らかい文章ではふざけているのかと誤解されます。

 

ビジネスの用件は、きちんと礼儀正しく伝えることが大切です。だらだらと面白おかしく書いていたのでは、だらしない印象を与えてしまいます。折り目正しいメールでありながら、親しみが感じられる文章を目指しましょう。

 

 

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