擬音語・擬態語「オノマトペ」を使うと笑いが取れる
オノマトペで状況描写の達人になろう
擬音語・擬態語を使うと聞き手にイメージが伝わりやすくなります。
この擬音語、擬態語は「オノマトペ」とも呼ばれ、「ホカホカの肉まん」とか「ジュージュー焼き肉焼いてたら」とかいった表現のことです。
話に臨場感を持たせることができます。
オノマトペは情景や物事を音であらわします。
他にも「ドアをガンガン叩いた」のガンガン、「犬がワンワン吠えた」のワンワン、「明日の遠足が楽しみでワクワクする」のワクワク、「お肌がスベスベ」のスベスベ、「納豆はネバネバしている」のネバネバなどがオノマトペです。
実は日本語の特徴として、オノマトペがとても多いことが挙げられるのです。
英語のオノマトペは300語程度ですが、日本語はその10倍の約3000個以上ものオノマトペがあるといわれています。
例えば、楽しみにしていたデートをすっぽかされたときの帰り道の様子を、「失望して肩を落とし、涙をこらえながら必死の思い出で帰宅した」と説明したとすればどうでしょう。
実際の会話でこのような話し方をするような人はいないでしょうが、聞いた人は悲壮感漂う話題に、気の毒に思いながらもドン引きしてしまいそうです。
これを「ガックリきて、シクシク泣きたいのを我慢しながら、ヨロヨロと帰ったよ」と伝えると、相手の頭のなかにその状況が映像として映し出されるのではないでしょうか。
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このようにオノマトペを会話に取り入れると、悲しい話でありながらもおもしろさが加味されます。
もちろん、悲しい話だけでなく、楽しかったことはルンルン気分など、どんな状況にも、オノマトペは役に立ちます。
そして、相手の頭の中に思わず映像が浮かぶため、言いたいことが伝わりやすくなるのです。
職場でも、後輩に「早く仕事を切り上げよう」と伝えるときに「ササッと片付けちゃおう」と言ったほうが、「よし!」とやる気になりやすいのではないでしょうか。
オノマトペには、言葉では上手く説明できない事柄でも伝えやすくなるというメリットもあります。
例えば首が痛くて病院に行ったときに、その痛みをお医者さんに伝えるときに、「下を向いたときに、首の付根がジンジンとしびれるように痛いんです」とか、「首を動かすと、付け根のところにキーンと痛みが走るんです」などと説明すると、お医者さんが診断しやすくなります。言葉で説明するだけではうまく伝えられないときは、オノマトペの出番です。
このほかにも、相手の行動を促すといった効果もあります。
部下が上司を飲みに誘うときに「部長、今日はパーッといきましょう」ということがあります。プロジェクトが思うように進まないなど、仕事でイヤなことがあったときに気分を変えるときによく使われるセリフですが、「気分を変えるために飲みに行きませんか」と誘うよりも、説得力が出ます。
そのまま使ってもイメージが沸きやすくなりますが、オリジナルの擬音語を用意すれば、笑いも取れます。
お笑いの宮川大輔さんはオノマトペを上手に使っています。
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イノシシが転げ落ちた音を「クリクリベーン!」
猫が道に飛び出した音を「ビャー!」
フライパンを投げた音を「ユンッ!」
こんな具合で宮川大輔さんは擬音語を使っています。
イノシシが転げてきた音を擬音語で、と言われれば普通「ゴロンゴロン」とかですよね。
それを「クリクリベーン!」にすると笑いが取れるわけです。
つまり、この擬音語は自由に作ってOKなんです。
とはいえ、いきなりオリジナルの擬音語を作れと言われても、どう作ればいいのか分からないと思います。
初めは普通の擬音語をパワーアップさせるところから試してみてください。
例えば「髪の毛がツルツルになるシャンプー」と言いたいとします。
ツルツル→ツルンツルン→トゥルントゥルン、といった具合です。
「髪の毛がトゥルントゥルンになるシャンプー」というだけで音の響きが面白くなります。
とにかく口に出して擬音語を使ってみるのが一番です。
鉄板の擬音語が見つかったら、積極的に使って行きましょう。
擬音語たくさん入った話は笑いを取れますし、相手を退屈させません。
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マンガに学ぶオノマトペ
状況描写で強い味方となるのがオノマトペですが、オノマトペの使い方をマスターするためにおすすめなのがマンガです。マンガにはその場の状況や、登場人物の心の動きなどを、オノマトペを使って表現しています。外国人への日本語教室でも、オノマトペを教えるときにマンガを使っているそうです。
たとえば、何かから逃げるときの描写でも「スタスタ」、「ドタドタ」、「ヨロヨロ」、「ズザザザザザ」などさまざまなオノマトペが使われています。「スタスタ」は余裕がある逃げ方だとわかりますし、「ヨロヨロ」と逃げるなら敵にやられてダメージをウケながら撤退しているとわかります。さらに「ズザザザザザ」の場合は、ものすごく恐ろしい化け物か何かが現れて、猛スピードで逃げている様子が思い浮かびます。
「○○さん、先輩にさんざん叱られて、ヨロヨロと帰っていったね」などと話せば、聞いている人はその様子がありありと目に浮かぶのではないでしょうか。
自分だけのオノマトペを作ろう
マンガには独創的なオノマトペがたくさん登場します。あなたも、自分だけのオノマトペを作って、会話に取り入れてみませんか。そうすれば、状況描写の場面がより一層イキイキと輝きます。
オリジナルのオノマトペは簡単に作ることができます。自分が感じたことを、そのまま言葉にすればいいのです。
柔らかいことを伝える場合に「ふわふわ」、「ふかふか」、「ふにゃふにゃ」、「ぶよぶよ」など、柔らかいものに触ったときの感覚をそのまま言葉にすればいいのです。「ふわふわ」なら羽根ブトンのような軽くて柔らかい感じがします。「ふかふか」は干した布団がお日様をいっぱいに浴びたイメージです。「ふにゃふにゃ」は空気が抜けたボールのような、弾力のなさを表しているのではないでしょうか。「ぶよぶよ」は、脂肪がたっぷりとついたお腹や、熟しすぎた果物などたるんだイメージです。
このように、オノマトペを作るときは、そのオノマトペを聞いたときに、自分がどう感じるかを考えながら作るのもポイントです。
オノマトペはほんのすこし表現を変えるだけで、伝わるニュアンスが変わります。
「笑いがクスクス起こった」、「クスリと笑った」、「クスッと笑いが漏れた」、「笑いをこらえようとしたけれど、クックッと喉がなってしまった」など、クスクス、クスリ、クス、クックッなど少しだけ言い方を変えるだけで、微妙なニュアンスを表現できるようになります。
相手に情景を思い浮かべながら聞いてもらうために、じぶんだけのオノマトペを使えば、聞き手を引き付けることができます。ぜひ、オリジナルのオノマトペをストックしましょう。
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