クレーム対策として雑談をフル活用しよう

クレーム対策は雑談で

 

雑談はビジネスでのクレーム対策としても、有効に働きます。ビジネスではクレーム対応がなかなか大変で、クレームに対するマニュアルを作っている会社も多いのではないでしょうか。しかし、クレームが発生してから対応するのではなく、できるかぎりクレームを防ぐよう心がけることも大切です。

 

クレームに関する危機管理対策として、雑談がとても役に立つことも知っておいてください。雑談の効用は、相手の警戒心を解いて自分との距離を縮めてもらうことです。

 

ビジネス上でも、お客様に警戒心を抱かせないことは、とても重要なのです。というのも、警戒心が強い人はクレームが起こりやすく、警戒心がなく親しみを持っている人はクレームが発生しにくいからです

 

 

たとえば、毎日のように出かけるスーパーマーケットで、いつもレジの店員さんが、「奥さん、そのエコバッグおしゃれですね」とか、「今日は寒いですね」、「今日のワンピース、とてもお似合いですね」、「髪型、変えられたんですか? ステキですね」などといつも話しかけてくれていたら、親しみがわきます。レジからお釣りが出て来るまでほんのちょっとした待ち時間などに、一言話しかけられると、その店員さんの顔を一度で覚えることでしょう。このような店員さんが、おつりを500円間違えたとしたら、「間違えてますよ」と言うにしても、クレームまでは発生しません。

 

しかし、どの店員さんも仏頂面でただ機械的に対応している人ばかりだと、たかが500円であっても不快に感じるのではないでしょうか

 

また、ガーデニングが趣味で玄関の庭先にいつも美しい花を咲かせている家があるとします。一般的な配送員なら、いくらきれいな花が咲いていてもスルーすることでしょう。宅配の品物を届けて、受領印をもらって終わりです。

 

しかし、一人の配送員が「いつもお花がきれいですね」、「あれは何という種類の花ですか?」などと、配送のたびに必ず何か一言、ガーデニングの花を褒めてくれたらどうでしょうか。とても気分がいいと思いませんか。ほんの一言ですが、その人のことを「宅配便の人」という記号で認識するのではなく、「花のことをほめてくれる感じの良い人」という印象を抱くのではないでしょうか。

 

このようなときに、ちょっとした配送ミスがあったらどうでしょうか。午後の12時~14時までに指定しておいた荷物が、夕方になっても届かない。やきもきします。14時以降に外出の予定がある場合など、なおさらです。このようなちょっとしたミスでも、「ただの配送員」に対しては文句を言いたくなりますが、「花を褒めてくれる良い人」の場合は、忙しいんだから仕方がないか……とクレームにならずに済ませてしまうのではないでしょうか。

 

 

仕事でまったくミスをしない、というのはとても難しいことです。自分はきちんとしていても、誰かのミスが自分のミスとなることもあります。お客様にはそのようなことはわかりませんから、担当する当人にクレームが集中します。そうすれば、結局はその人のミスとして処理されてしまうことになるのです。

 

このような将来起こりうるかもしれないミスに対するクレームを少しでも防ぐためにも、日頃からのコミュニケーションはとても重要なのです。

 

本来なら会社にクレームが行くようなミスであっても、雑談で良好な人間関係が築けていれば、お客様の方でミスをきちんとカバーしてくれる可能性が高いのです。

 

もし、仕事でお客様の自宅に訪問するときは、必ず何か一言、目に入ったものを褒めましょう。「ユニークな傘立てですね」、「素敵なお庭ですね」、「かわいいワンちゃんですね」。何でもかまいません。というのも、ビジネスで知らない人が自宅に来るというのは、迎える方は緊張するものだからです。緊張していますし、警戒しています。このように緊張感や警戒心があるところに、何らかのミスをするとクレームが発生しやすいのです。

 

また、自宅に訪れるのではなく、会社での取引でも雑談がトラブルを防いでくれることも多いのです。たとえば、何度もその会社に足を運んで営業トークを続けていた努力が実って、さんざんしぶっていた取引先の担当者が「そこまでいうなら、一度お取引しましょう」と、購入を決めてくれたとします。このようなときに、「ヤッター!」と思いますよね。営業マンにとって、とてもうれしい瞬間です。しかし、あまりの嬉しさに、そのままそそくさと帰るのはおすすめできません。このようなケースではあなたが帰った後に、担当者の気が変わる事があるのです。そして翌日あたりに電話がかかってきて「やっぱり、あの取引、ちょっと考えさせて……」と断れることもあります

 

もし、「そこまでいうなら、一度お取引しましょう」。と言われて、「
ありがとうございます」と挨拶をするときに、もう一言、「お取引いただいて嬉しいです。○○さんとは、ゴルフという趣味もいっしょですし、これからも長くお付き合いさせていただいて、ゴルフ談義などもぜひお聞かせください」、「今度、いっしょにコースを周りますか?」などと雑談をしていたら、あなたとの親しみが増していますから、「ちょっと早まったかな?」と思ったとしても、まあ今回はこのまま行こうと、「口約束の後の取り消し」のリスクが低くなるのです。クレームも同様です。納品した商品に何らかの不備があった場合も、担当者と日頃から雑談をしていて親しくなっていたら、「今度から気をつけてよ」と許してもらえることが多いのです。同じミスを、二度、三度と繰り返すのは論外ですが、一度のミスなら見逃してもらえる可能性は低くありません。

 

このように、ビジネスでのクレームなどの危険を回避するためにも、日頃からの雑談によるコミュニケーションはバカにできません。「仕事以外のことを話す」のを面倒臭がらないようにしましょう。それが、結果的には自分のためになります。