雑談は連想ゲームで話題を広げて、8対2の割合で話をしてもらう
聞き上手の方が雑談上手
雑談は話し下手や人見知りでも、練習すればできるようになると言いました。雑談はむしろ話上手な人よりも、話し下手の人のほうが向いています。
なぜなら、雑談とは相手の警戒心を下げて、リラックスしてもらうことです。そのためには自分本位ではなく、相手が気持ちよく話せるようにすることが大切なのです。話上手な人はつい自分ばかり話してしまって、相手が聞き役になりがちです。
しかし、誰しもが「自分の話を聞いてほしい」と思っています。この欲求を満たせば、相手は気持ちよくなって場の雰囲気が良くなります。
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雑談では、自分がしゃべるのではなく、「相手にしゃべってもらう」ことを心がけましょう。無理に自分が話す必要はありません。相手に話してもらって、聞き役になりましょう。だからといてうなずいてばかりでは、会話は盛り上がりません。相手の話を引き出すためのコツは、うなずきではなく質問で返答することです。これなら、話し下手な人でも会話を続けることができます。
質問で返していくことができるようになれば、あなたは聞き上手として人に信頼されるようになります。
たとえば、「この前の連休に温泉に行ってきた」という話題が出たときに、「うちは、沖縄の美ら海水族館に行ってきたんですよ」と、自分の話をすると、相手の話の腰を折ってしまいます。
このような場合は、「どちらの温泉に行ってこられたんですか?」と質問しましょう。美ら海水族館がどんなに素晴らしかったかを伝えたくても、まずは相手の話を聞きましょう。
相手の話に質問で返していくと、気持ちよくしゃべってもらえて場が盛り上がります。こうすれば、特に自分が話さなくても、どんどん会話が弾んでいきます。これなら、トークの技術も不要ですし、豊富な知識や笑いのテクニックなども不要です。誰でも聞き上手になれるコツが、「質問」することなのです。
人は、自分の経験や好きなことなどに耳を傾けてくれると、嬉しくなります。自分のことを、受け入れてくれていると感じるからです。
逆に、自分が話の主導権を握って話題を振っても、相手が興味をもってくれなければ、そこで話題はストップしてしまいます。このようなリスクがまったくないのが、相手に話を振っていくことです。相手に自分の楽しかったことや好きなことを話してもらえば、話題がスベルことはありません。
相手が満足するまで話して、「で、あなたは連休にはどこに行ったの?」と尋ねてきたら、そのときに「沖縄の美ら海水族館に行った」と答えればいいのです。
こう考えると、話し上手の人よりも、話し下手のほうが、雑談には向いているといえるのではないでしょうか。
雑談の失敗例
とくに初対面の人と雑談するとき、何か話さなきゃと焦って失敗してしまう例があります。
雑談はたくさん話さないといけないと思うと、この失敗にはまってしまいます。
例えばこんな会話例
A「私の趣味は釣りなんです。釣りはされますか?」
B「いやぁ釣りはやったことなくて。」
A「面白いですよ、釣り。シーバス釣りなんて気軽に出来ていいですよ」
B「そうですか」
A「釣りの後のお酒が旨いんですよ。お酒は飲みますか?」
B「いや、お酒飲めないんです。」
A「美味しい居酒屋があってですね」
B「はぁ」
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どうでしょう、Bさんは雑談を楽しんでいるでしょうか。
もしかしたら、Aさんの話をうっとおしいと思っているかもしれません。
Aさんは自分の話をすることで盛り上げようとしていますが、自分の話で盛り上げるためにはルールがあります。
それは面白い話やお得な話など、相手の利益になる話です。
そうじゃない場合、相手に焦点を当てて、相手に話させる方が何倍も効果的です。
この場合はBさんに話をさせようとしなくてはいけません。
上記の会話例の場合、自分の趣味が釣りと自己開示するのはOKです。
しかしBさんの興味がなさそうだった場合、釣りで広げてはいけません。
Bさんの休日の過ごし方、趣味、趣向に焦点を当てるべきでした。
人に緊張をほぐさせるためには、話させることが一番です。
初対面で緊張気味だった相手に、たくさん話させることが成功すれば、雑談成功です。
雑談では相手が80%、自分が20%
相手に100%しゃべってもらうのは、すでに会話ではありません。トークショーです。会話は言葉のキャッチボールですから、無言で頷いているだけでは、会話とはいえません。このような状況では、相手も不安になってしまいます。
ですから話し下手な人は、全体の2割程度を目安に質問を振りながら話していきましょう。ただ、8:2の割合は、その場の雰囲気に合わせて、臨機応変に変えていくことも大切です。
時には、相手が質問してくることもあるでしょうし、相手も無口な人の場合は、ある程度自分のことを話す必要があります。このような状況では相手が6割程度話して、あなたが4割話すという状況になることもあるでしょう。
また、営業をするために相手の情報が欲しい場合や、何らかの情報を引き出したいといった場合は、こちらからアプローチをしてうまく情報を聞き出す必要があります。このようなケースでは、自分が話題の主導権を握って、話題をリードしていきますから、相手が4割、あなたが6割と、あなたの方が話す割合が多くなることもあります。
相手が話すのが好きな場合は、8:2を目指しましょう。話し好きの人は、どんどん自分から話してくれます。
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話題が切れたら「連想ゲーム」
ただ、雑談の場合、特に内容のある話はしませんから、突然話題が途切れてしまうこともあります。こうなると、せっかく盛り上がっていた場の空気も変わってしまいますね。
雑談は特に結論を求めずに、とりとめもなく話をして、結論が出そうになったら、他の話題へと変えていきます。話題を変えるときに、これまでの話と関連付けた話題を選ぶことも、雑談のコツです。
うまく会話のパスを回していくことを意識しましょう。話題が次から次へと変わっていって、「あれ、何の話からこんな話になったんだろ?」と、気づかないうちに話を広げていくのが理想です。
盛り上がる雑談は、一つの話題から、次の話題へと枝葉のように広がっていきます。前の話とリンクしながら、次へと進めていくわけです。私たちがインターネットでウェブページを見ていて、そのページから気になるリンクがあれば、それをクリックして、次のウェブページに行き、そこからまたクリックして別のウェブページに行くのと同じようなものです。「あれ? どのサイトからここまで飛んできたのかな?」とそれまでに見ていたサイトを覚えていないことも多いのではないでしょうか。
雑談も同じようなものです。気ままに、気になることから気になることへ、話をリンクさせて発展させていきます。
話題の変わり目は、「ところで話はまったく変わるんだけど……」という繋げ方ではなく、前の話題に出てきたキーワードやエピソードを取り上げて、「そういえば○○といえば……」などと、発展させていきます。
ここで求められるのが、連想する能力です。イチゴといえば果物→果物といえば美容→美容と言えば美肌→美肌と言えば○○さん→○○さんといえば天然ボケ→天然ボケといえば□□さん……というふうに、前の話題からどんどん連想を広げていきましょう。
でも、会話の中でアドリブ的に前の会話から連想を広げていくのは、なかなか難しいものです。ふだんから、意識して連想する力を磨いておきましょう。
たとえば一つのキーワードからどれだけ連想を広げていくことができるか、考えてみましょう。親しい友人とゲームのように連想していくのもおすすめです。
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たとえば「もうすぐお正月ですね」、「お正月といえば昔は羽子板や凧揚げで遊んだね」、「今の子どもは羽子板や凧揚げとかするのかな?」、「どうだろうね。洋風のカイトとかいう、三角型の凧が流行ったよね」、「よく飛ぶからね」、「でも、電線に引っ掛けたりしてた」、「小池百合子都知事が、東京の電線を地下に埋めるとか行ってるけど、実現するのかな」、「小池百合子さんって、演説うまいよね」「昔、キャスターしてたんでしょ」、「キャスターといえば嵐の櫻井翔くん、紅白の司会での気配りが最高によかった」……。とどんどん話を進めていけば、最初のお正月という話題とは全く関係がない、嵐の櫻井翔さんの話題にまで広がっていきます。
このように雑談とは、連想しながら広げていく。漂っていくという方がニュアンスは近いかもしれません。インターネットの世界を漂うように、雑談の世界も漂いながら、どんどん広げていきましょう。
そして、最初の話題と遠くはなれた地点にまで行くことができれば、その雑談は盛り上がっている証拠です。
この相手の話題から連想を広げていく力を磨けば、雑談で話題に困るということもなくなります。また、話題の流れを自分でコントロールすることもできるので、とても便利です。例えば雑談の話題が、誰か特定の人の悪口になりそうになったら、連想力で話題を変えることもできます。「○○さんって、人の見てないところで手抜きしてない?」、「手抜きっていえばさ、昨日買ったお弁当が手抜きとしか思えない出来でさー、文句を言いにいこうかと思った」、「どんなお弁当だったの?」など。連想力を磨けば、雑談のスキルは格段に上がります。
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