雑談力が上がれば、英会話だって上手くなる
■英会話も雑談力でこなそう
現代はグローバル社会といわれています。このため、英会話くらいできないとダメだと考えている人も多いのではないでしょうか。
その一方で、英会話教室に通っても全然話せるようにならない、英会話にはまったく自信がないという人がとても多いのも現状です。
確かに外国語をマスターするのは、一朝一夕にはいきません。特にビジネスで英語を使う場合は契約書を読む能力も必要ですし、こみいった専門的な話をする語学力が求められます。
しかし、外国で弁護士になる、外資系の会社でバリバリ働くといった人は別ですが、私たちが海外からきた外国人観光客とちょっと話したり、逆に海外旅行にいったときに現地の人と話したりする程度の英会話なら、何も専門的な用語を知っている必要はありませんし、文法など知らなくても意思疎通はできます。
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多くの日本人が英語は苦手と感じているのは、ペラペラとネイティブ並に話さなければいけないと考えているからではないでしょうか。
海外旅行などで外国の人と英語ではなすとき、何を話すかというと、いわゆる雑談です。日本代表として立派なことを話す必要はありません。
ちょっとした雑談ですから、気楽に話せばいいのです。たとえ文法を知らなくて、単語の羅列でもゼスチュアでもかまわないでしょう。理路整然と話す必要もありませんし、日本での雑談と同様に結論もオチも不要です。
おたがいが言葉を交わすことでその場の雰囲気が和む、親しみが感じられるといった程度でかまわないのです。そう考えると、あまり肩肘張らずに話せるのではないでしょうか。
そもそも私たちは、これまでに英語にまったく触れずに来たわけではありません。中学校から英語の授業がありますから、英語の基礎程度は、誰もが学んだ経験があるはずです。中学英語すらも忘れているという人も多いですが、それでもノープロブレムです。中学英語を忘れていても、「no Problem」と聞いたら、問題ないと言っているくらいは理解できる人が大半だと思います。
中学、高校と英語を習って来たにもかかわらず英会話に苦手意識があるのは、単に英語を習っただけで、実際に話す機会がほとんどなかったからです。英会話に慣れていない、ただそれだけなのです。
日本語での雑談でも、英語での雑談でも、雑談のルールは同じです。意味のないことを話す、結論なんてなくていい、どんどん話題を変えていいのです。
そして、雑談になによりも大切なのは、相手に共感することです。雑談では、とりあえず肯定する。まずは受け入れる。これが大前提となります。「あ、おんなじ!」、「それ、いいですね!」、「そういうこと、ありますよねー」、「お互い苦労しますね」などなど、共通点を見つけたり、相手の気持に共感することで場をリラックスさせるのが雑談です。
ですから、英会話でもyes!という言葉をどんどん使っていけばいいのです。まさにイエスマンになりましょう。
yesのほかに、「私も同じです」という意味の「me too」または、「So do I」も使えます。
「Do you like steak?」「yes」。「Do you know apple?」 「yes」。とりあえず、yesと答えましょう。
相手が○○が好きというなら、「私もです me too」。週末はデートなんだ「me too」、「really?」と聞かれても「yes,yes」。いい加減ですが、それでも話さないより数倍もマシです。
そして不思議な事ですが、このように「そうです!」「わたしもです!」と答えていると、どんどん会話が盛り上がっていきます。
日本での雑談でも、「○○って知ってる?」「知ってる、好き!」、「私、○○が好きなんだ」「私も、おいしいよね!」とか、せいぜいこの程度の雑談をしていることが多いのではないでしょうか。正しい日本文法を意識して喋る人はいません。大阪の人はよくアレ、ソレなどと言って、具体的な言葉を使わずにしゃべるといいます。「アレって、感じええよな」、「そうやな、アレはええ線、いってるな」。そばで聞いているとアレって何?と思いますが、お互いが思っているアレが食い違っていても、構わないのです。同調してゆるい雰囲気で、のんびり、まったりしてる。そんな空気を楽しんでいるのです。
英会話もこれくらいのレベルでいいと考えれば、外国人とだって楽しく雑談できます。
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起承転結を考えたり、5W1Hにこだわって文章を考えながら英語を話すのは難しくても、単語の羅列程度なら、誰でかんたんにコミュニケーションが取れるのではないでしょうか。
外国の人が日本観光にやって来て、カタコトの英語で何かを尋ねてきても、誰も何とも思わないでしょう。自分の国の言葉ではないのだから、話せないのは当たり前と受け入れます。外国人も同じです。日本人なんだから、英語はヘタでも当たり前で気にしない。そんな感じでしょう。
起承転結や5W1Hを意識したスピーチとは違い、雑談はその場の空気でどんどん話題が変わっていきます。結論なんてありません。ですから、話が続かなくなったなと思ったら、「ところで……by the way」と言って、話題を変えればいいのです。
英語だからといって身構える必要は何もありません。ですから、英語の授業としての英語力を鍛えるのではなく、まずは雑談力を鍛えるべきだと思います。
雑談とは何かを知っていれば、それが日本語であっても、外国語であっても、話し方は変わらないからです。ボディコミュニケーションについて、イチローをくすぐってチームの雰囲気を好転させたケン・グリフィー・ジュニアの例もあります。究極は言葉が通じなくても、コミュニケーションをすることはいくらでも可能なのです。子どもたちを見ていれば、それはとても良くわかります。まったく初対面同士でも、すぐに仲良くなりますし、言葉が通じなくても関係なく遊んでいます。
これからは英会話について、あまり身構えないようにしましょう。英単語を使った雑談程度の感覚でいいと思います。つまり、英会話は英語の勉強とは別物という考え方です。
日本語での雑談力を磨けば、自然と英会話も話せるようになります。
雑談とは意味のある会話ではありません。会話をするという“行為”を通して、相手の警戒心を解いて、その場の空気をリラックスさせることが目的です。そこには日本語も、外国語も分け隔てはありません。お互いが共感し、お互いを尊重しあっていれば、そこにコミュニケーションは成立します。つまり雑談とは言葉の壁を超えた素晴らしいコミュニケーションだということです。
雑談には話すテクニックも、語学力もまったく不要です。必要なのは相手に共感する気持ちです。共感していることを示すためには、ただリアクションを返すだけです。「そうだね!」「わかるよ!」「同じ!」「私も好き」。これだけです。相手と楽しく過ごそうと思って行動すれば、それは以心伝心で必ず伝わります。雑談力を磨いて、コミュニケーションの幅を広げましょう!
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