人に信頼される話し方とは|相手に好かれる会話術

人から信頼される人は、相手の気持ちを考えた話し方が自然とできています。
「相手の気持ちを考えることは大事」と頭で分かっていても、実際に行動で来ている人は意外に少ないものです。

 

・嘘をつかない
・困っている時に助けになってくれる
・リーダーシップを持ち人を引っ張っていくことができる
・依頼されたことに対して100%以上の成果を出す

 

などなど、こういった要素は高い信頼を得ることができる一方、信頼を得るまでには長い時間が必要になります。
反対に、短時間に人から信頼を得たり信頼を失ったりする要素が、「話し方」です。

 

話し方はコミュニケーションを取る上で最も重要な要素の一つです。
初対面の相手でも、5~10分も会話をすれば何となくその相手のことが分かるのではないでしょうか。
その時得られる感覚が正確なものかどうかはさておき、自分の中で相手に対してなんらかの印象を固めるはずです。
「真面目そうな人」「明るい人」、逆に「話しにくい人」といったように印象を持つということは、話し方ひとつで信頼感も変わってきてしまいます。

 

同じ商品を売り込みに来た営業であっても、信頼できる話し方をする営業が売り込めば魅力的な商品に見えるし、反対にどうにも信頼できない話し方の営業が売り込めばイマイチな商品に見えてしまいます。
無茶な指示であっても、信頼できる話し方の上司からであれば何とかして対応しようとするでしょう。
このように、信頼感一つで同じ行動でも結果が変わってくるので、とても重要なのです。

 

こちらではそんな人に信頼される話し方、相手に好かれる会話術をご紹介していきます。

 

人に信頼される話し方を実践する

「相手の気持ちを考える」というのは、具体的なテクニックではなく、抽象的すぎると印象を持つかもしれません。
しかし、本当に正しいルールは抽象的な言葉が多く、ビジネス名著「道は開ける」(D・カーネギー著)でも

 

私たちはすでに、どう満ち足りた人生を送ればよいのかを知っている。誰しも黄金律や「山上の垂訓」を読んだことがあるはずだ。私たちにとって問題なのは無知であることではなく、無行動であることに他ならない。

 

と、人生で大切なことは皆知識として持っているけれど、実践できていないと述べられています。

 

実際に想像してみてください。相手と会話しているとき、どんなことを考えているでしょうか。

 

話しているときは「笑わせたい」「好かれたい」「すごいと思われたい」
聞いているときは「話しやすいと思われたい」「次は何話そう」

 

こう考えてしまうのは人情なので仕方ないですが、これでは自分が主体になっており相手の気持ちを考えられていません。
「相手を理解したい」「相手に楽しいと思ってもらいたい」と本当の意味で相手を主体を考えている人は少ないので、それができる人は信頼されるのです。
人は「この人は私のことを考えてくれている」と実感できたとき、「この人は他の人とは違う」と初めて相手を信頼します。

 

相手の自尊心を傷付けない

信頼をされる人は相手の自尊心を傷つけるような話し方をしません。
苦言を言わなくてはいけないときでも、相手の自尊心が傷つかないよう、相手に気付かせるような言い方をします。

 

例えば、時間に遅れた後輩を指導するとき「遅刻はダメじゃないか!」と頭ごなしに叱るよりも、「みんな、君を待ってたんだよ」と言えば、自ら「申し訳ない」と反省しやすいでしょう。

 

他にも仕事で質問してきた部下に、「こんなこともわからんのか!」と相手を責めるより、「ここまではわかってるんだよね」と相手の立場に立って整理してあげれば「自分はここがわからなかったのか」と考えることもできます。

 

人を傷つけたり、恥をかかせるような言い方をする人は、周囲から信頼されません。
「今、自分は相手のことを考えられているのか?」と常に立ち止まって考えられるようなれば、自ずと人に信頼できる話し方が身に付いていくはずです。

 

要点を整理し結論から話す

ビジネスでいえば、要点を整理し結論から話すことも重要です。
たとえば、何かしらのアクシデントが発生し、顧客が依頼した納期を守ることができない。
そのため納期が守れないことを相手に謝罪し、納期の延期をお願いをしないといけないというシーンです。

 

ありがちなのは、アクシデントの内容について細かく説明し、そのあとに納期が守れないことを報告し、納期の延長を打診するという話し方です。
この話し方では、アクシデントの説明をしている段階で顧客は「何の話がしたいんだ」とイライラしてくるでしょう、その後に納期が守れないことが報告されれば一気に怒りがわきだし、その後の謝罪と依頼も通りにくいものとなってしまいます。

 

最初にまず納期が守れないという結論を話し、納期を延長させてもらえないかと依頼する。
その後、納期が守れなくなったアクシデントの内容を詳しく説明するというのが、ビジネス上での信頼を得る話し方になります。

 

不明瞭な発言はしない

これもビジネスですが、「思う」「多分」といった不明瞭な発言をしないことが信頼を得るのに必要です。
これらの表現は自信のなさの表れであり、当然それを聞く相手にも不信感を与えてしまいます。
無意識であったり、予防線を張る目的でこういった表現を多用する人もいるのですが、明確な事実を伝えるのであれば意識的に「です」「ます」という表現をするようにしましょう。

 

もし、客観的な事実がなく、どうしても主観の話をしなければならない場合は、「私はこう思います。なぜなら~だからです。」と自分がそう思う根拠も添えて伝えるようにしましょう。
また、「一旦社に持ち帰り調査してから再度ご報告します」といったように返答を避けるのも手です。

 

否定的な表現は避ける

さらに、否定的な表現はできるだけ避けることも信頼を得るのに大切です。
会話の中で「でも」「しかし」「できない」といった否定的な表現を多用する人は、プライベートであってもビジネスシーンであっても信頼されにくいだけでなく、相手に不快感を与えてしまいます。

 

最初から否定的な表現で返すのではなく、

「○○さんの提案する方法も有効です。しかし、こちらの方法の方がより効率的で高い効果を発揮することができます。」

といったように、まず相手の意見を肯定し、そのあとで別の意見として自分の考えを伝えるように少し工夫することで、相手に不快感を与えることなく自分の意見を主張することができるようになります。

 

また、相手の発言だけでなく相手の行動を否定する表現も避けるべきです。
たとえば部下や後輩が質問をしてきたとき、それがすでに一度説明した内容であっても、非常に簡単な内容であっても決して「そんなことも分からないの?」「この間説明したでしょう?」というような返事をしてはいけません。
そうではなく、「ここまでは分かっているんだね?」といったように、まずは何ができて何ができていないのかを相手に整理させるきっかけを与えてあげます。
相手が何かしらのミスをした場合も最初にそのミスを責めるのではなく、なぜそのミスを犯してしまったのかを問い、原因を本人がしっかりと自覚するきっかけを与えます。
こうすることで質問や相談をしやすい雰囲気を作り出し、相手の信頼を得ることができるようになります。

 

自分の話したいことだけを話さない

自分の話したいことだけでなく、相手の話にもしっかりと乗ることも重要です。
例えば営業で製品の売り込みに行った際、とにかくその製品の特長や利点を伝えきることに必死になり、顧客が別の話題を振ってもその話には乗らずになんとかして元の話に戻そうとしてしまいがちです。
しかし、自分の言いたいことだけを主張していたのでは相手の興味もいずれなくなっていってしまいます。

 

まずは相手を理解して、そのうえで自分を理解してもらうという順番が理想的です。

 

一見、自分の主張とは無関係の話であっても誠意をもって受け答えをし、時にはあえて話を脱線させるというテクニックも信頼を得るには重要になります。

 

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