雑談や話し方が上手くなるオススメの漫画はこれ

雑談の宝庫『課長バカ一代』

 

マンガの『課長バカ一代』を読んだことがあるでしょうか。『魁!!クロマティ高校』の作者である野中英次さんの作品で、松芝電機という会社の社員がだらだらと話すだけのギャグ漫画です。劇画タッチの絵柄でありながら、その内容は実におかしいのです。おいしいですが、バカバカしくて意味がありません。まさに、雑談です。『課長バカ一代』はさまざまな雑談がつまったまさに「雑談の宝石箱」のような作品なのです。

 

主人公は商品開発部企画課 課長補佐代理心得という長ったらしい肩書の八神和彦という人物。あまりのバカさにまわりの社員やライバル会社を振り回すパワーの持ち主です。

 

この八神和彦を中心に、彼の部下たちが、とりとめもない会話を繰り広げるというものです。一般的な作品のようにストーリーらしいものもありませんし、オチもありません。

 

例えば、かつて役者志望だった部下に、「試合が終わって帰るプロ野球選手」というお題を出して、演じさせます。その様子を見て主人公は「それは、プロ野球選手ではなく、ただの酔っ払い」とか、「演じる前に新人かベテランかを確かめないの?」など、けなしてながら何度も演じさせ、その挙句、「こんなの、大の大人が昼休みにするべきじゃない」と切り捨てて終了です。ただそれだけの話ですが、この“意味の無さ”がこのマンガの最大の魅力です。

 

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意味のないギャグが受けて7巻まで出ています。1996年から2000年までに作られた作品で、『魁!!クロマティ高校』より前のものですが、今読んでもおもしろいですし、何度でも繰り返して読みたいおかしみがあふれています。

 

その話が周りにウケている間は、どんどん話を引っ張っていきます。そして、もうこれ以上盛り上がれないなとなったら、さくっと次の話へと移っていく。このとりとめのなさも、雑談の極意を心得ているといえるでしょう。

 

雑談とは意味のない会話であることというセオリーを知り尽くしているとしか思えない主人公を中心としたこのマンガは、雑談とは何か?を知るための素敵なお手本です。こたつに足を突っ込んで寝転がりながら、ベッドでごろんとなりながらなど、リラックスしながら読んでほしい作品です。『課長バカ一代』を読んでみると、雑談に意味のある話題は不要であることがよくわかると思います。どうしても上手く話さなきゃと思う人や、雑談のネタに苦しんでいる人には、特に参考になるのではないでしょうか。ご一読をおすすめします。

 

『課長バカ一代』のほかにも、雑談の参考になるマンガはたくさんあります。中崎タツヤ作の『じみへん』は、地味で変な笑いが、どこにでもいそうなごく普通の人によって生み出されます。何ていうことのない会話やオチのない会話が雑談の参考になります。

 

映画にもなった、のりつけ雅春の『アフロ田中シリーズ』のうち、『上京アフロ田中』も雑談の宝庫です。たくさんある漫画作品の中から、あなたにとっての雑談の教科書を探してみてはいかがでしょうか。また、「雑談」という観点から漫画作品を読むと、思わぬ発見があることも多いです。今まで読んだ漫画作品も、「雑談」シーンを意識して読み返してみてはいかがでしょうか。

 

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