謝罪のコツと方法|ボケで面白くする、ユーモアのある謝り方など

まずは誠心誠意謝罪する

待ち合わせに遅刻した、納期を守れなかった、不良品を納品したなど、ビジネスではトラブルがつきものです。
そんなときは、言い訳はさておいて真っ先に謝罪する必要があります。
何か事情があっても、まずは迷惑をかけたことを謝り、「申し訳ない」という気持ちを相手に示すのが誠意のある謝罪です。

 

外見や声でも謝意が伝わるよう、はっきりとした声で「申し訳ありませんでした!」と伝え、心からお辞儀をすることも大切です。
その後相手の話をしっかり聞いたうえで、なぜこのような事態が生じたのかを可能な限りわかりやすく説明し、今後はこのようなことがないように、どのように対処していくのかを伝えることも誠意です。

 

演じ分けると謝りやすくなる

謝罪は必要なのは分かっていても、心の負担がかなり大きいものです。
その大きな原因の一つは、ミスを認めることで、自分の価値を全否定している気になってしまうからです。

 

自分の価値を下げたくないから、ミスを認めることに抵抗があって謝罪が苦手という方はとても多いです。
実際は謝罪ができないことが周囲の評価を一番下げることなのですが、頭では分かっていても、身体が拒否反応を示します。

 

そこでおすすめな方法が、「ミスした自分」と「謝る自分」を別人として演じ分ける方法。
ミスをしてしまった自分が別人として隣にいるイメージで、その人の為にあなたが謝っているイメージです。

 

この度は(私の)手違いにより、御社に多大なご迷惑をお掛けしてしまい誠に申し訳ありませんでした。

 

この度は(○○君の)手違いにより、御社に多大なご迷惑をお掛けしてしまい誠に申し訳ありませんでした。

 

自分のことで謝罪するより他人のために謝罪する方が格段に楽だったりします。
このように自分が二人並んでいるようなイメージで謝罪すると、ニュアンスが変わって苦しさが減少できたりします。
謝罪に抵抗があるときは、是非試してみてください。

 

ユーモアのある謝り方で締める

心から謝罪し、相手の怒りをしっかりと受け止めて謝っていくと、相手の気持ちも徐々におさまってきます。
モンスタークレーマーではなく常識的な社会人なら、怒りの感情を長引かせるようなことはしません。
平謝りしている人に対して、一方的にしつこく怒りの感情をぶつけることに、一種の罪悪感を抱くようになるからです。
自分が被害者だとはいえ、断罪し続けるのは建設的ではないという意識が働くようにもなります。

 

そこでおすすめなのが、最後はユーモアのある謝り方で終えることです。
軽い小ボケを入れることで、相手の罪悪感を少なって、最後は面白く返してくれることもあります。

 

ボケを入れる余地がないほどの謝罪なら深刻なまま終えた方がいいこともありますが、例えば気心の知れた取引先や職場の人であれば、怒りが治まってきたなと感じたら、笑顔でほんのすこしだけ笑いのネタを取り入れてみてはいかがでしょうか。
さんざん怒られたのにボケると、反省していないのかと誤解されることもありますが、気心が知れた関係ならこれは相手に対する気遣いとしてのボケです。

 

平謝りに何度も頭を下げて謝罪され続けていると、謝っている方も苦しいですが、謝られている方も苦しいものです。
自分は決して悪くないのに、なぜこんなに居心地の悪い思いをしなければならないのかと、苦々しい気持ちになるかもしれません。
謝らせている自分が悪者に感じられてくるからです。

 

このように謝罪の後の切り上げは、何となく後味が悪くスッキリしないものです。
ですから気配りができる人ほど、後味の悪い状態のまま帰るのは逆に申し訳ないという気持ちになります。
だからこそ、場を和ませるちょっとしたボケで場の空気を和らげるのも

 

ユーモアのある謝り方として、おすすめなのが「やり過ぎな反省」です。

 

・「今度同じミスをしたら、丸刈りにして来ます」
・「今日から毎朝朝礼時、御社の方角に向かって敬礼いたします」
・「二度と忘れないよう、タトゥーで『○○』と掘ってきます」

 

反省している方向でのユーモアであれば、「わかった。もういいよ(笑)」という返しをしてくれるかもしれません。
お互いに気持ちよく別れたほうが、その後もスッキリしますし、今後の関係もギクシャクせずにすみます。
コミュニケーションの達人を目指すなら、ぜひ平謝りの後のユーモアにも挑戦してみてください。

 

お詫びとユーモアはオーバーに

謝るときにも本人は十分に感情をこめて謝っているつもりでも、相手にその気持が伝わっていないことが多いです。
人の感情が、自分の思っている半分も表情に出ていない人が多いからです。
ですから謝罪するときは、「少しオーバーすぎるかな?」と思うくらいの大げさに謝るよう心がけましょう。

 

もしクレームに職場全体で取組んでいるなら、同僚と店員と客の立場にたって練習するのも効果的です。
一人で練習するなら、鏡や録音した動画で自分の表情を確認しながら行ってください。

 

練習しておくことで、謝罪のときだけでなく感謝の気持ちも上手に表現できるメリットもあります。
謝罪も感謝も、大げさぐらいでちょうど良く相手に伝わります。

 

また、ユーモアも大げさくらいに入れるとちょうどよくなります。
特に飲食店の店員さんは色々な要望やクレームが多いですね。

 

ユーモアを入れて注意する場合

「今、すごく盛り上がってるところですよね?申し訳ないのですが、少しだけ声を落としていただけますか?」
「え!?」
「あ、私の声のほうが大きかったですよね(笑)スミマセン」

 

心配りを入れて要望に対応する場合

「あそこの席に変えてほしいんだけど」
「そうですよね。こちらのお席より、あちらのほうが落ち着けますよね」
「すぐ変えてよ」
「もうしわけありません、今は満席なのですが、空きが出ましたらすぐにご案内いたしますので、少々お待ちいただけますか」

 

(時折)
「あと10分くらいで空きそうなので・・・」(席替えのこと忘れていませんよアピール)
「ありがとう、もういいよ」

 

自分のことを気遣ってくれた、小まめにフォローを入れてくれたなどの気配りが、満足なサービスとして受け入れられ、不満な気持ちも治まるものです。
このような細やかな気配りが、謝罪やクレーム対応の極意とっても過言ではありません。

 

わがままを言うお客さんにも、この「気遣った、がんばった」が伝われば、引き下がってくれることも多いです。
相手の気持ちを考えて受け入れことで、心をひらいてくれます。
ポイントは相手と対立関係にならず、同じ目線になることです。
円滑なコミュニケーションが実現するためには、自分の気持ちはさておいて、まずは相手の気持ちに寄り添うことを心がけてみましょう。

嘘はつかずに言い換える

例えば美味しくないものを食べたときに、嘘を付いて「美味しい」と嘘を付くと必ず違和感が生まれます。
カウンセリングの世界では「自己一致」と呼ばれ、気持ちと言葉にズレがあると歪みが生じ、そのズレはなんとなく周囲にも伝わってしまいます。

 

謝罪するときにも、自分の気持ちにウソをつくことなく、相手に配慮した言い回しを考えることが大切です。

 

× 今日中の対応はできません。

 

→明日でしたら対応できますが、いかがでしょうか
→今日中となると、今の私には厳しすぎる案件ですね
→気持ちとしては今すぐにでも対応したいのですが、現実問題としては・・・
→今日中ですか・・・。こんなにお客様に寄り添いたいのに、自分の無力さが悔しくてたまりません。

 

謝罪という切迫した状況でも言い換えができるようになると、日常会話でもスキルが発揮されます。
日頃から様々な言い回しに触れて、使いやすそうなフレーズを集めてみてください。

 

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